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十二話 徐々に決着へ

後もう少しですかね。

「――葛葉よ!」

「……?」


『ミノタウロス』を挟み、攻撃を仕掛けていた葛葉に反対側に居た鬼丸が一言、ただ葛葉の名を呼んだ。一瞬頭の中に疑問符が浮かんだが、葛葉の十八番である鋭い洞察力を、久しぶりに使った。


「……なるほどね! なら――ッ‼︎」


鬼丸のやりたい事を理解した葛葉が、直ぐに行動に移った。『ミノタウロス』の目下で、うろちょろうろちょろと『ミノタウロス』の注意を引く。案の定『ミノタウロス』が挑発に乗り、拳を握りしめて目一杯の力で葛葉を殴り潰そうと、思いっきり拳を地面に叩き付けた。


「――『八艘飛び』」


そしてすかさず鬼丸が走り出した。

剛力による尋常じゃない攻撃に、ダンジョンの床がひび割れ、大きな石片や小さな石片が飛び散る。空中に一時的に足場が出来てしまった。


「殺しはせん。じゃが……殴らんとは言っとらんのじゃ」


八艘飛び。かつての武将、日本で織田信長に続く有名な武将――源義経。

平氏と源氏の最後の戦い、壇ノ浦にて源義経が魅せたというのが『八艘飛び』だった。

金棒を振り回し、石片を足場にしまた飛ぶ。次の足場へと飛び、また次の足場へと飛ぶの繰り返し。その行動にまんまと翻弄される『ミノタウロス』。そしてそれは三人もそうであった。


「……す、凄い」

「八艘飛び……あぁそう言う」

「流石は巫女様ですね」


律が感嘆の息を漏らし、葛葉が鬼丸の呟いた言葉に今の鬼丸を見て納得し、五十鈴が誇らし気にそう呟く。

まるで重力が無いかのように見えるが、きっちりと重力は働いているのだ。その証拠に、


「さて、行くのじゃ‼︎」


『ミノタウロス』の真上に飛び出た鬼丸が、金棒を大きく振り被ってニヤッと悪どい微笑を浮かべ、重力を乗せて振り下ろすのだった。辺りに血が飛び散り、角も欠けて床に落ちる。まだ原型を保っている顔は、見るも無惨な様相だ。


「畳み掛けるのじゃ‼︎」


背中から倒れた『ミノタウロス』に、着地し追撃をかまそうと鬼丸が駆け出す。そしてボーッと突っ立って居た三人に叱咤する。今この場にいる誰よりも戦闘経験も場数の多さも鬼丸が一番だろう。


「律! 足を集中的に攻撃して!」

「は、はい!」


鬼丸が駆け出して数秒、葛葉達も駆け出す。

脚部に比較的に近い律にそう指示を飛ばして、葛葉は前方にある巨大な身体を見据える。魔獣には大体『核』と言われるものがあり、その『核』のありかはどれも決まって、心臓部だ。


「……そんで私は、核周りかな! 『紅焔鎧』」


ステータスが爆上している感覚を感じながら、葛葉は前へ足を踏み出す。淡い炎を纏い、脚が付いた地面を爆ぜさせた。

読んで頂き、ありがとうございます‼︎

いやぁ〜、前もそうでしたが鬼丸は何でか葛葉の世界のことを知ってますよね〜。

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