十話 スライムの次はボス戦へ
ダンジョンならボス戦不可避ですよね!
大扉がズズズとゆっくりと開いていく。少しできた隙間からは光が漏れ出してきており、同時に異様な雰囲気か威圧が溢れ出してくる。
「どんな敵だったの?」
「う〜む、【英雄】とは因縁がある相手じゃなぁ」
鬼丸が顰めっ面をしてから、ニコッと微笑み断片的に教えてくれる。葛葉は一抹の不安を覚えながらもナイフを『創造』した。
「……律。大丈夫そ?」
「……は、はい! 大丈夫です! うぅ、ですがお見苦しい所を見せてしまいました……」
「いいよ、可愛かったし」
「う、うぅぅぅぅ」
葛葉が揶揄い半分で律に微笑むと、律の顔が真っ赤になり頭から湯気が出始める。そして葛葉の胸をポカポカと叩くのだった。相当恥ずかしかったのだろう。
「さて、皆んな。どんなボスか分かんないけど……いっちょかまそうか!」
ナイフを構え葛葉は意気込み、律に五十鈴に鬼丸にそう声を掛けた。大扉が完全に開き切り、ボスの姿が顕になった。
『——ヴォォォォォォォォオ‼︎』
茶色の毛並みを揺らして、ご立派な黒い角で光を反射させ、葛葉達の戦意を揺るがし屈させる咆哮。
人の何倍もの体躯、大き過ぎる大鉈を振り回して葛葉達を迎え撃つ。葛葉達を睥睨するそのボスモンスターは――ギリシャ神話でテセウスに倒された、迷宮ラビュリントスに閉じ込められた半牛半人の怪物、ミノタウロスだった。
「因縁ってそいう事……」
「うぬが好きなアニメでは因縁の相手じゃろう?」
……確かにそうだ――あれ? 何で鬼丸が。
「さぁ行くのじゃ!」
ふと疑問が浮かび答えが出る前に、鬼丸が走り出してしまう。それに続き律も五十鈴も走り出してしまった。
葛葉は頭を振って出遅れながらも走り出した。
「さぁ! ボスモンスターとやら、わしに瞬殺されるでないのじゃ!」
走りながらそう豪語しながら鬼丸は一時的に足を止めて、グググと足に目一杯の力を込め、そして力を爆発させた。
読んで頂き、ありがとうございます‼︎
さぁ葛葉の好きなアニメとは何なんでしょうかね!
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