四話 ダンジョン探索 in
遅くなりました!
――二時間後――
「てな感じで、発射出来るようになるの!」
ニコッと可愛らしい笑顔で締め括った葛葉の足元には、鬼丸がぐっすりと熟睡しており、その隣に既に脳がパンクした律が倒れており、またその隣では五十鈴が二時間も我慢して説明を聞き終えていた。
「……葛葉様。律様が……息して無いです」
「なんで!?」
全く持って自覚がない葛葉が驚き、その声に鬼丸が目を覚ます。
「あんな難し過ぎる話を理解出来る者が居るはず無いじゃろ」
垂れていた涎を拭い、寝起き眼を擦る鬼丸が声のトーンを落としながらぼやく。一種の拷問と言っても過言では無かったのだ。
「……葛葉様、とりあえずは理解しました。早速、探索を始めましょう」
「う、うん」
かがみ込み、白目を剥き意識がない律の頬をツンツンと突く葛葉に、五十鈴が銃のスライドを後退させて弾を込めながら言う。葛葉は律を背負いながら、ダンジョンの中へ歩いていった。
パン! パン! と閉所に響き渡る銃声、そして騒がしい三つの足音。真っ暗なダンジョンの中を、一つの灯火が猛スピードで移動していた。
「不味い不味い不味い不味いッ‼︎」
先頭の葛葉が、そんな呟きを連呼しながら狭い所もお構いなしに走り、その後ろに二人が離れずに着いてくる。ダンジョンに潜ってから早一時間。葛葉達は今、色んな意味でピンチだった。
「く、葛葉さん! せ、説明が足りませんよ!?」
「してる暇ないでしょ‼︎」
「葛葉様! 前!」
つい今さっき目が覚めた律が、青空の下から薄暗いダンジョンの中に居ることについての説明を求め、声を上げる。が、葛葉は切羽詰まった声で、それを一蹴する。
そして最後尾の五十鈴が、葛葉の進む道を指差し声を上げた。
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葛葉達は何から逃げてるのでしょうかね〜、さてはて次回はどんな魔物が出てくるのやら。ぐへへ
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