十五話 悩むことの大切さ
最近は早く投稿できてるので、この調子で毎日投稿をしていきたいと思います!
鬼代葛葉という人間は、そんな大層な人間じゃ無い。皆、過大評価のしすぎなのだ。
「【英雄】が見据え、歩む道はそんな物だよ。初代の【英雄】も、今までの【英雄】も今の君と同様に、何度迷ったのかもしれないね」
迷う事が許されるのは、目の前に広がる道に歩を進める時だけだ。歩を進めれば、もう後戻りは出来ないのだ。横スクロールのゲームのように。歩いてきた道が無くなるのだ。
「存分に迷いたまえ……。迷うという事は、人である証拠さ。迷い無くキッパリと決断出来てしまう人は、きっと常人では理解の出来ない事を常に考えているのだろうね」
そう呟きながら葉加瀬は、ん〜っと足を伸ばして腕も伸ばす。きっと葉加瀬は見抜いていたのだろう。
葛葉が【英雄】としてこの先の未来、どのような道を歩むのか。そして葛葉の足が、震えて竦んで歩き出せない事を。葛葉は葉加瀬の言葉を頭の中で反芻させながら、再びお湯に口元まで浸かるのだった。
――一時間後――
ブーと音を立てて、首を回転させながら風を送る扇風機の前で、葛葉は首にタオルを掛けてのらりくらりとしていた。先程の葉加瀬の言葉がまだ頭の奥で引っ掛かっていたのだ。なお、扇風機に当たっている今の葛葉は真っ裸だ。その上、あぐらを描いていた。
「少々長風呂し過ぎてしまったかな」
「あ〜〜〜〜〜〜」
子供が一度はやる宇宙人ごっこをして、葛葉は何も考えないよう努める。
「……幼児退行するのも勝手だが、そのままでは風を引いてしまうよ」
「…………ふぁい」
ピタっと宇宙人ごっこをやめて、葛葉はスタスタと歩いて行き、籠が置いてある棚までやってくる。麻で出来た籠の中には、葛葉愛用のジャージが畳まれてあった。
「葉加瀬さんはこの後、お酒飲むんですか?」
「……ふむ。それも良いかもしれないね……。葛葉ちゃんは行ける口かい?」
「スピリタス……がぶ飲み行けますよ」
「……それは強いとかではなくて、人では無いだろう?」
グッと親指を立てて、謎のドヤ顔を葉加瀬へ向ける葛葉に、葉加瀬はから笑いしてツッコミを入れた。事実葛葉は酒は強いため――流石にスピリタスのがぶ飲みは無理だが――嘘は言っていない。
「じゃあ、早く行こうか」
「はい!」
白衣をバサっとカッコ良く羽織って葉加瀬は先に行ってしまう。おぉ〜っとかっけぇーと思っていた葛葉は、ハッとし急いで葉加瀬の後を追うのだった。
読んで頂き、ありがとうございます‼︎
ふと、自分の今まで書いていた小説を読み直してみることにしました。……いやぁ、酷いですね。ま、今も酷いんですけど。
自分の目指している所には到底届かない作品でしたね。これから少しずつ改良をしていきたいと思います。
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