十一話 飲んでも飲まれるな!
新年早々、不吉なことが多いですね……。
あんな事をしでかした張本人と、仲良く酒を飲むだなんて。
「そうですよね……」
「でも、きっと皆んな仲良く接するようになるよ!」
「……え?」
「あの子のした事は消えないけど、あの子がこれからどういった事をするかで変わると、私は思うよ」
ニコリと笑顔を見せてくれるミリザさん。その姿を見ると、葛葉も自然と口角が上がり、笑顔になってしまう。
「それに、あの子は鬼族の巫女様なんでしょ?」
「え? まぁ……」
「ならどんな敵が来てもやっつけてくれるって、そう思う人もいるからさ」
「……助けてくれ、るのかな?」
あの戦いの後だと信用が皆無だ。あの容赦のない顔、人をおもちゃのように弄ぶ笑顔に、今でも思い出すだけで底冷えしてしまう。
「――お〜い‼︎ 葛葉〜‼︎」
と葛葉が苦笑していた時だった。男性陣の方から鬼丸が葛葉を呼ぶ声が聞こえたのだった。鬼丸の頬は既に火照っており、完全にもう出来上がっていた。……いや、どうやら大半の男性陣も出来上がっているみたいだ。
「わしと一緒に飲むのじゃあ〜‼︎」
ジョッキを振り回し、鬼丸が葛葉を手招きする。そして周りの男性達も、鬼丸と同様に葛葉を呼んできていた。もう殆ど恐怖映像でしかない。
「えぇ……」
正直、酒は好きだが酔った人物の相手は大嫌いだ。酒を飲んでも飲まれるな、その言葉を知らんのかと小一時間説教したくなる。
……けど。
「仕方ないなぁ」
葛葉は鬼丸の顔を見て、ふっと笑いため息を吐いて、テーブルの上に置いてあったジョッキを持ち、鬼丸の下へ歩いて行った――。
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二日連続不吉なことが続いていますね……。ですが、明日には幸運はあると思いましょう! 新年を、2024年が不吉な年にならないよう、笑顔で過ごしましょう!
(自分のこの小説で笑顔になってくれたらいいんですがね〜……)
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