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TS化転生っ娘は、ちょっとHな日常と共に英雄になるため、世知辛い異世界で成り上がりたいと思います!  作者: んぷぁ
第三部 一章——ほのぼのとゆっくりしたいなぁ——
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八話 保護者兼伴侶です。

遅れました!

「――こ、困るよ嬢ちゃん!」

「何故じゃ⁉︎」

「買うのはいいけど、飲まれるのはちょっと!」


と店内を見回していた葛葉の耳に聞こえてくるのは、男性の声と鬼丸の声だった。絶対面倒臭い事になってると、そう思いながらも仕方なく向かうのだった。


「な、何なんだこの娘⁉︎ ……ん? あ、君は……?」 

「…………はい。一応保護者です」


返事をしたく無いが、この男性が困っているためやむ無く返事をするのだった。視線を男性から、カウンター前へと戻すと、酒瓶を手に取り今にも開けて飲み干しそうな鬼丸が居た。


「……鬼丸〜、問題起こさないでよー」

「起こしてはおらんのじゃ! わしの年齢なら飲んでも構わんじゃろう⁉︎」

「確かにそうだけどさ〜」


またしても問題を起こそうとする鬼丸に、葛葉が一応注意するが五百年も生きてる鬼丸に、酒を飲んではダメなんて言える訳もなく。見た目が完全に小学生並みだからか、この男性も必死に止めようとしているのだ。


「せめてギルドで飲もうよ」

「……ふむ、そうじゃな! 葛葉よ! 今宵は朝まで飲み明かすのじゃ!」


拳で手のひらを叩き、鬼丸は名案だと言いそうな顔で葛葉の言葉を肯定する。そして、鬼丸は立ち上がり、目の前の棚にあった酒瓶を全て取ると、虚空庫を出して中から金の延べ棒が出て来る。


「これで良いかの?」

「あ――――――――――――――――――――」


それを見た男性は顎が外れたのか、それとも驚きすぎて空いた口が塞がらないのか、どっちもほぼ同じ意味だが。一言発して絶句してしまった。葛葉も多少驚きはする。するが、もう鬼丸の異常さにはそうそう驚きはしない――。


(――えっ、待って……。あれ純金じゃ無い!?)


マジマジと見ると百億パーセント金の延べ棒だと言う事に気付く。いや、延棒って時点で気付くべきだが。


「ほれ! 早く帰って飲むのじゃぞ!」


そう言って鬼丸は、金の延べ棒をカウンターの上に置きそそくさと店から出て行ってしまった。葛葉も遅れて鬼丸の後を追う、その前に男性に一礼してから店を後にした。

そのすぐ後に、またのお越しを‼︎ と後ろから興奮気味な声で言われるのだった――。

読んで頂き、ありがとうございます‼︎

純金なんて見たことありません‼︎

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