六話 人のこと言えないおかしな服
今日は早く投稿できたましたね!
そして、暫くして。
「どうじゃぁ〜‼︎」
着終わった鬼丸は、カーテンを勢いよくバッと開き、試着した服の裾をはためかせ、ドヤ顔でふすんと鼻を鳴らして仁王立ちした。
葛葉は、は〜っと呆然と見ていたが、ハタと気付いて頭を振るった。そして鬼丸の試着した服をマジマジと、下から上へ次は上から下へと見回した。
黒色が主なその服は、服というには少々異彩を放っていた。ゴテゴテとした箇所が何個もあり、襟である部分は口まであり首周りはかなり隙間がある。袖丈もかなり広く、というか全体的に大き過ぎる。
下に行くにつれて大きくなっているのだ。最早、服というよりか……パーカー? と言われた方がしっくりくる。
「…………別にそれでも良いけど、いや良いのかなぁ?」
流石の葛葉も頭を抱えて悩み混んでしまう。こんな服を普段着として着用するのかと……すごくおかしい。容易に想像できる。
「てか、ズボンとかは?」
「……ふっふっふっ。見るが良いのじゃ!」
そう言い鬼丸が、どっからか積み上がってある椅子を用意して一番上の椅子に飛び乗ったのだ。
「そして、見上げるが良いのじゃ!」
「……見上げる?」
葛葉は鬼丸の言う通りに顔を上に上げて、見たくは無いが見上げるのだった。そして見上げ、葛葉は驚愕した。
普通なら鬼丸の下着が見えるはずなのだ――ズボンを履いていないから――なのに下着は見えず、ただ真っ黒な空間しか見えなかったのだ。
「えぇ……怖ゎ」
光を吸い込むような真っ黒で、下着なんて見えないし、多分裾が大きくはためいても真っ黒で何も見えないのだろう。
「ふふ〜ん! これだけで良いじゃろう?」
「……まぁ良いか」
実際に問題は無いだろう。それにまぁ、身長と服の大きさが一致しておらず、ブカブカすぎてそうそう裾の下を見ることは出来ないだろう。それに、葛葉も人の事を言えないのだから。
(……自分で選んだ物じゃ無いけどね、ははは……)
葛葉は自分が今も着ている、背中が隠れておらず横乳すら拝めれる程の露出の高い戦闘服に、目を落としながら呟くのだった。
読んで頂き、ありがとうございます‼︎
どんな服だよってツッコミは、胸の内の金庫に鍵かけてしまっておいて下さい!
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