二話 鬼代葛葉NTR計画
ほのぼのだなぁ〜
燦々と輝く太陽が――とかは放っておいて、もっと気にしないといけない問題がある。
……そう、それは葛っちゃんに伴侶が出来たこと……‼︎
「……ボクの葛っちゃんなのにぃ〜っ‼︎」
ダンダンダンと、ギルド長室に置いてあるゴージャスな机に台パンを決めて、むきぃー! と嫉妬の念を抱いているのは、紛れも無く緋月であった。頭には大きなタンコブが出来ており、どこかクレヨンしんちゃんを彷彿させる。
「緋月のでは無いと思うがね〜」
と緋月のぼやきに言葉を返したのは、仕事をやっと終わらせた葉加瀬だった。手には熱々のコーヒーが注がれ湯気を立ち上らせるカップが持たれていた。
「いや、緋月のではでは無く、誰の物でも無いだろう?」
「ふん! そんなの関係ないね! 葛っちゃんはボクのだい!」
「荒れてるなー」
ははは―と苦笑し、葉加瀬はコーヒーを一口啜る。徹夜後のコーヒーは何故か、微妙に美味しく感じれる。
とコーヒーを大変美味しそうに啜る葉加瀬を、緋月はいつもとちょっと違った葉加瀬を見る目で眺めていた。徹夜など、ギルド長になってから一度もしていないので、葉加瀬の感覚を緋月は知らないのだった。
「あの、ガキンチョめ!」
「……それは緋月の方じゃ?」
「え? 何その顔……言うて一歳しか変わんないでしょ? ボクら」
小学生を見る目で葉加瀬がツッコミを入れると、緋月が困惑の表情で言い返す。二十歳超えてると言えど、五百年も生きている鬼からすれば赤子も当然だ。
「……はぁ、どうにかして葛っちゃんをNTRないと!」
「それで鬼丸の脳が破壊されないと良いけどね」
街一つ消し飛びそうと懸念しながら葉加瀬は緋月の凶行を応援するのだった――。
読んで頂き、ありがとうございます‼︎
今回の章ではあまり戦いはないと思います。気分次第で変わりますが……。
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