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六話 エロって革命よね……

読もうと思っていただき、ありがとうございます!

十時前投稿が出来た……。これは奇跡ですよ!


「……――ハッ⁉︎ 一体何が!?」


先程までの記憶がない葛葉は、とある部屋で正気を取り戻す。今、葛葉の頭の中にある記憶は、千佳と握手したところまでだ。

そこから……何故か記憶がないのだ。葛葉は不思議なこともあるんだなぁ〜と持っていると……、


「ひゃう!?」


脇に擽ったい感覚と、冷たい物が触れる感覚が一緒にやって来て、変な声が出てしまった。と同時にゾワゾワと全身に鳥肌が立つ。


「あっ、やっと良い反応が見れた……ご馳走様です」

「何がッ⁉︎」


とそう言うのは、葛葉の脇に腕を通しメジャーで何かを測っている千佳だった。千佳は止めていた手を動かし、測定を続ける。


「……あ、あのこれは?」

「ん? 採寸だよ」

「採寸?」

「そ。今は葛葉ちゃんの防具を作ってるのさ……あ、あと服脱がしちゃってごめんね」


そう言われて葛葉は自分の身体に目線を向ける。着ていたジャージも下の服もブラも、何もかもがが取払われており、今はパンツ一枚のみだ。


「なっ!?」


自分のその姿に、葛葉は顔を真っ赤に染める。


「お〜可愛い反応」


そんな葛葉の反応に、微笑ましい物を見る目を向けてくる千佳。


「じゃ、パパッと終わらせちゃおうか」

「は、はぃ……」


葛葉は複雑な気持ちで、この採寸を受け入れる。


「てか、これって何の採寸なんですか?」

「んー? 葛葉ちゃんの防具だよ?」

「防具を……あっ! 防具を買いに来たんだった……」


葛葉も失念していた。最も、陰数値の上昇負荷によって記憶が断片的に失われて居たのだった。


「……防具はどんな感じのなんですか?」

「んーとね、魔性糸って言う魔力が埋め込められた石を糸にした物でね。魔力の込める量と素材によって、防具としての価値が跳ね上がる

千佳の後ろ、作業机の上には虹色にも似た独特の色を放つ糸巻きが、何個も置いてある。机の下、直ぐそばには同様の色を放つ石が何個も、麦で作られた籠に入れられている。


「それに糸から作れるから普段着にも使えるし、上着の下に着るようなのにすれば、いつモンスターと遭遇しても平気だからね」


確かに言われればそうだ。ラグスが身につけているような、ゴッテゴテの金属の防具だと普段着れないし、非常時に装備できない。

欠点が多いのが金属の防具だ。その点こっちの魔性糸であれば、普段着る服として着用でき、上着の下に着れたり、何なりと……。だがまぁ、本当に欠点が一つもないとは言い切れないだろうが。


「さてと、採寸は一通り終わったよ」

「あ、ありがとうございます」

「そいじゃ、服のデザインなんだけど……その前に着替えちゃおうか」


千佳が畳んであった服を手に取り、葛葉に手渡す。気を失ってる間に、勝手に脱がされた身としては、かなり複雑な気分だった。




ブカブカジャージのチャックを最後まで上げ、借り物のスカートを履く。未だにスカートを履くのに手こずってしまう。


「よし! やっぱこのジャージは落ち着くな……」


このジャージの袖に手を通して早五年。今となっては常に来てないとムズムズしてしまう程に、愛着が生まれてしまった。親友もしくは戦友、そんな言葉が当てはまる。信頼度は妹や義母の次に高い。脱がされていたのを全部着て、更衣室見たいなところから、カーテンを開けて出る。


「あ、着替え終わった?」

「はい」

「……えっとね……まぁ良いや、服の形はもう決まったからさ、次は色だけど。これが良いってのはあるかな?」

「これが良い……うーん、黒と青か。あ、でも出来れば水色で」


ほんの数秒の思考の後、中学生男子というか男の子が好きそうな組み合わせを答える葛葉。黒と水色は厨二心を擽るのだ。


「黒と水色ね。じゃ、ご要望に応えれるよう頑張って作るよ。一応どのくらいで出来るか言っておこうか?」

「え? そんな早く出来るんですか?」

「そうだね。早くて四日後ぐらいだね」


早っ⁉︎ そ、そんなん俺がRPGゲーを十個クリアしてるくらいだぞ!? 比べる物が少々、いや大分違うと思うが、そうしとこう。


「防具以外に何かオーダーメイドして欲しいのはあるかな?」

「……特に――」

「姐さん駄目ですよ!」


と千佳に断ろうと葛葉が最後まで言う前に、ひょこっと顔を出したラグスが遮って来た。その手には売られている商品が握られていた。


「……駄目って何がだよ?」

「姐さん、あの刀だけでは戦闘において扱いづらいでしょう!」

「――うっ!」


ラグスに図星を疲れ、葛葉は小さく唸る。確かに、確かにあの刀は単体では扱い難い。先の戦闘では何故か上手く戦えたから良かったが……。


「多分ですが、姐さんは短剣とかの方が扱いやすいのでは?」

「んー使ったことないからなぁ」


日本人で引き篭もりな葛葉に、ナイフやら刀やらは無縁の物なのだ。何故って? 安全な国で引き篭もりやってりゃ触る機会なんてないだろう。扱った事がないから葛葉にはなんとも言えん。


「……まぁこれは私の勝手な判断ですので、お金は取りませんが。とりあえず手を握らせてくれませんか?」

「えーっと……何故?」

「そうしたいからです」


そう言い千佳はニコッと微笑んでみせる。美人の微笑みほど、心臓を鷲掴みするものは無いなと鼻血が出そうな鼻を抑えながら思う葛葉であった。


「ど、どうぞ」

「ありがとう……うん、小さい手で可愛いね。ぷにぷにしてるし」

「そ、そうですかね」


か、硬い……。葛葉は千佳の手――石のように、いやそれよりも硬い千佳の手に少し驚く。ぷにぷにの葛葉の手とは反対的な手だ。


「私の手は硬いだろう?」

「そうですね……」

「鉄を打ってると自然とこうなっちゃうんだよね」

「そうなんですか?」

「そうなの」


千佳が手を離し、微笑みながら自分の手を見下ろし言う。まだ千佳の硬い手の感触が、葛葉の手に残っている。手自体は小さく細いのに、皮膚が物凄く硬かった。


「ねぇ〜! まだぁ〜?」

「……ほら、緋月が呼んでるよ」

「本当に自由な人ですね……」

「そこが良いと私は思うよ〜」


事実そんなんだろう。ギルドの職員にも慕われていたし、スミノさん以外のメイドからも慕われていた。ああでも意外と人望はあるみたいだ。


「それじゃあ自分たちは」

「うん。なるべく早く作るよう頑張るね」

「ありがとうございます」


葛葉は部屋を出て行く前に一度お辞儀をし、部屋を出て行った。

読んでいただき、ありがとうございます‼︎

この話も美味しいと思っていただけたら幸いです‼︎

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