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五話 日本人無双!

やっぱチート持ちなんだよなぁ……。

この街は何かと冒険者が多く、その多くがLv.1の初心者冒険者だ。Lv.2やLv.3なんて遥か先の化け物達と言う認識だろう。押し寄せる魔物の大群の殆どがLv.2並みとのこと。だからLv.1冒険者がこうやって住民の避難誘導に駆り出されたのだろう。


「こっちでーす‼︎」


葛葉が大きな声で住民達を誘導する。住民達は素直に指示を聞き、ギルド職員の手伝いもあってかスムーズに避難が完了した。


「……葛葉さーん!」

「律、そっちは終わった?」

「はい! 皆さんが指示通りに避難してくれましたから‼︎」


律の話を聞き、葛葉は直ぐ隣にある避難所を一瞥して、どこか納得のいかない表情をしていた。


(手際が良すぎない……?)


そう葛葉が思っていた時、ドォン‼︎ と言う爆発音が響いてきたのだった。どうやら前線の冒険者達が攻撃を開始したのだろう。これも魔法使いの魔法だろう。葛葉は戦場の方へ顔を向け、目を細めるのだった。




「魔法使い! 次急げ‼︎」

『了解!』


Lv.2の魔法使い達が再び魔法の詠唱をし始める。十数人の魔法使いが魔法を構築する中、剣士や闘士、重戦士達は雄叫びを上げながら魔物に肉薄する。

この場には冒険者が二十二人おり、残りは護衛の魔法使いや治癒師であり、内の二人以外は皆Lv.3〜2である。魔物もLv.2が殆どなためか、冒険者が有利とは言えない状況だ。対等な敵と戦うため、かなりの被害が出て居る。その代わり最前線で戦って居るLv.3の冒険者とギルド長のお陰で、五百の大群はかなり数が減って居る。


「……流石だね。始まりの街の冒険者達とは言え、Lv.2の魔物と殺り合えて居るね」


市壁から見える戦場を眺めながら、葉加瀬は独り言のように呟いた。葉加瀬の居る市壁から見えるのは合戦も斯くやと言った戦場が見えて居る。魔物、冒険者が入り乱れ、地面はあっという間に血で染められていって居る。


「さて……私も仕事をしようかな……」


戦場を一瞥し、その戦場の先に居る魔物達を見据えて葉加瀬は手を突き出した。


「……『開闢之雷霆』」


瞬間、曇天の空から無数の稲妻が地面に落ちた。幾重の轟音が響き、魔物の大群を襲い魔物は断末魔を上げながら雷に焼かれていった。


「……さ、最上位魔法」


その光景を見ていた冒険者達が唖然として、たった今行使された魔法に驚愕する。

下、中、上、最上とある魔法の中でも最高威力の広範囲攻撃魔法を葉加瀬は最も簡単に放ったのだ。しかも無詠唱でだ。下手を打てば味方諸共焼け焦がす可能性がある魔法なのにだ。


「……とりあえず数は少なくなったか」


葉加瀬の目下には大量の魔物が焼け焦げた光景が広がって居る。ざっと百以上だろう。戦闘向きでは無い葉加瀬だが、こと魔法分野に関しては右に出る者はそうそうおらず、このような芸当は現状葉加瀬にしか出来ないと言えるだろう。


「――あとはボクの番だね!」


最前線で冒険者と共に魔物を蹂躙していた緋月が、腰に携えた長刀を鞘から抜き抜刀する。残りの魔物はあと二百を切ったくらいであり、まだ開戦から十分しか経っていない。


「――瞬刀抜刀術『三日月』」


前傾姿勢で魔物の大群に突貫し、緋月が魔物の群れの中に姿を消したと同時、大群の一角が血飛沫をあげた。

大量の頭が飛び上がり、地面に次々と落ちていく。あっという間に地面が血で染まった。

緋色の髪に、色白の肌に、赤と黒を基調とした戦闘衣装の上に、魔物の血を被り幽鬼のような身振りで、緋月は次の獲物へと斬り掛かった。

読んで頂き、ありがとうございます‼︎

やっぱりこの二人が出ると敵が溶けていきますね!

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