表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
139/745

十二話 仕える者

過去一遅れました……。

 ――数瞬間後――


「んぁ〜!!」


縁側に寝っ転がり、大きく唸り声を上げる葛葉。大の字に仰向けで寝っ転がり、荒い息を吐く。それを――今となっては専ら自分の武器として定着している――盾を持ちながら眺める五十鈴。その隣には膝に手をつき、葛葉同様荒い息を吐いている律が居る。


「はぁ……はぁ……はぁ……」

「お疲れ様です」

「……う、うーん」


五十鈴が労いの言葉を掛けるも、律は息を吸い込もうと必死で、葛葉は額に腕を置きながら素っ気なく応える。それ程までに疲れている事が分かる。


「ひ、久しぶりだけど……結構疲れた」

「で、ですね……結構訛っているかもですね」


だいぶ落ち着いてきた頃、二人が顔を上げて久しぶりの激しい運動の――物理的にも物凄く激しい運動の――話をし出した。二人とも汗が伝っており、かなり疲弊している表情だった。……葛葉の方を一瞥し、邪な考えがよぎるが、直ぐに理性で払拭し用意しておいた、フカフカのタオルを手に持ち二人へ届けた。


「あ〜ありがと〜」

「ありがとうございます!」


二人がタオルで顔を拭き、ニッコリと微笑んでくる。やはり眼福。葛葉の微笑みは世界をも救えると、五十鈴は内心ガッツポーズしながら叫んでいた。

と同時にズキっと胸が痛くなる。二人が仲良くしているのを見ているだけで、物凄く痛くなるのだ。心不全だろうか? 明日医者に診てもらうか……。などと五十鈴が考えて居ると、葛葉が五十鈴の顔を覗いてきた。


(か、顔が近いぃ……‼︎)

「五十鈴?」


普段の表情でも眼福だと言うのに、激しい運動後の上気した葛葉のご尊顔に、五十鈴の目が眩しくて失明してしまう。


「五十鈴さん? どうかしたんですか?」

「あ、い、いえ……」

「どったの?」


心配して来る二人に、五十鈴は平静を装って言葉を返す。二人は顔を見合わせ首を傾げる。が、五十鈴が咳払いと共に「本当に何でもありません」と一言。二人は終始疑問符の表情だったが、まぁいいかと諦めた。


「それで、この後三人でお風呂入ろうって」

「……あ、はい。構いません」

「よし、じゃ汗流しに行くか〜」


と葛葉が言い、先に行ってしまう。五十鈴は直ぐに葛葉の後を追い、律も「待ってくださぁい!」と叫びながら二人の背中を追うのだった――。

読んで頂き、ありがとうございます。

はい、遅れてしまい申し訳ありません! この投稿は昨日の分で、今日分は夜に投稿します。

面白いと思って頂けたら、ブックマークと評価をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ