表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
138/745

十一話 始まる

遅くなりました!

「……ここ」

「……そうか、やっぱりそこに居るのか」


あれから暫くして、二人はオリアの街近郊の地図を広げながら話し合っていた。エマが指を置いたところは、鬼巣山から少し離れた森林だった。


「……ずっと、確認、してる」

「動きはどう?」

「……少ない。でも、魔物の、量が多い」


目を瞑りながらエマは緋月の問い掛けに答えていく。

エマの得意魔法は――千里眼。文字通り千里をも見通すことが出来る目を、魔法で構築し、自分の視界と共有させる能力だ。通常の効果範囲は、術者の半径三十メートルちょっとのレア魔法だ。扱える物は少なく、使えたとしても運が悪ければ失明する可能性が大なので、誰も使おうとはしないのだ。

だが、エマは違う。失明の可能性は無で、効果範囲は世界中というトンデモ性能な魔法に仕上がっている。(細かな操作で家の中や風呂の中も覗けるようになれたりする)

だがそれを求め、紳士達が一生懸命頑張ったとしても、エマのようにはならないのだ。


「早めに手を打ちたいんだけどね……」

「……これを、今すぐ倒すのは……無理」

「そうなの? いやぁ〜どうしようかなぁ」


街一つが壊滅しそうな状況なのに、緋月の取れる行動があまりにも少ない。

魔物相手なら緋月単独で行ってもいい……が、その場に鬼丸が居るとなると、一朝一夕に片付くとは限らないのだ。下手したら逆に緋月がやられるかも知れないのだ。

オリアの街に強い冒険者は最高でLv.3のみ。五百年前に記された書記には、鬼族の巫女――鬼丸のレベルは12と書てあったはずだ。オリアの街最高レベルの四倍……。これだけで頭が痛くなってくる。


「やっぱりさっき言った感じで手を打つだけか……」


本当なら、国の総力を上げて鬼丸の討伐をしたかったが、邪竜が復活している現状、どうしようもない。

やはり、何かが起こる。あの子が何かを起こす。世界がまた再び動き出し、波瀾万丈な五年前のような世界に戻るのかもしれない。プロローグの終わりが見えてきているのだ、序章の幕が開け始めたのだ。


「……楽しみだ!」


小さく、緋月は微笑みながら呟いた――。

読んで頂き、ありがとうございます‼︎

今日は土曜なのに忙しかったので、この時間となってしまいました!

面白いと思って頂けたら、ブックマークと評価をお願いします‼︎

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ