表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
134/745

七話 イチャイチャ

今日は早めで!

ガヤガヤと、いつもの通り騒がしいギルドのレストランに、葛葉と五十鈴はやってきた。まだ七時半過ぎなので、冒険者達が多い。クエストに行く殆どの冒険者達は、大抵八時くらいからクエストに行くらしく、七時だと大量の冒険者が此処にいるのだ。


「すいませーん!」

「はーい!」


防具のガシャガシャ音や、冒険者達の話し声で騒がしい中、葛葉はウェイトレスを呼ぶ。どうやらギリ聞こえたらしく、ウェイトレスが人の合間を縫って進んで来る。それからやってきたウェイトレスに、二人は既に決まっている注文を伝えて、料理を待つのだった。


「そういえば……ここ最近クエストしてないねー」

「はい、そうですね」


周りの冒険者を見回して、葛葉があははーと笑いながら呟き、五十鈴は相槌を打つ。そして・・・と数秒間を開けて、葛葉は自身の財布をガバッ! と開いた。


「…………」

「葛葉様?」

「五十鈴……お金持ってる?」

「はい。最近はよく葛葉様にお金を払ってもらっていますので、かなり有りますが」

「……ごめん、今日の分払ってくれる……?」


五十鈴は数秒考え、チラッと葛葉の財布の中身を見てみると、財布の中はすっからかんであり、文字通りの一文なしな状態だった。


「……っ! すみません、葛葉様! 私が葛葉様のお言葉に甘えてしまって居たばかりに……!」

「え? そ、それは関係ないよ……?」


ここ最近、葛葉は律と五十鈴の食事代をずっと払っていた。無論、自身の食事代もだ。

前の護衛の依頼で少し多めにもらって、余裕はかなりあった。のだが、律は知っての通り大食い。葛葉の金なぞ秒で溶けてしまうのだ。そこに更に自分と五十鈴の二人分のも合わさり、葛葉の財布のライフはとっくのとうに0となっていた。


「葛葉様のためなら! いくらでも!」

「ちょ、ちょちょちょ! 何金貨出してんの!?」


五十鈴が取り出した金貨――日本で言うところの万札だ。この世界には硬貨と紙幣の二つがあり、緑色の紙幣が十万円札で、赤紫がかった紙幣が五十万円札で、金色の紙幣が百万円札となる。硬貨は一円から一万円までちゃんとある。


「……ですよね。甘えてきたこの口を、切り裂かなくては」

「ちょっとぉ⁉︎」


五十鈴はハタと気付き、財布を虚空庫にしまい一安心していた葛葉は、虚空庫からダガーを取り出した五十鈴の腕を掴み掛かり、取り押さえた。


「葛葉様! は、離してください! 私はこの卑しい口を切り裂かなければ行けないんです‼︎」

「せんでいいからぁ‼︎」


と二人が朝っぱらからイチャコラしていると、コツコツと足音が聞こえてき、葛葉と五十鈴のテーブル席の前で止まった。


「葛葉さんに五十鈴さん! 今日から律は復帰いたします――あぇ……え? ど、どう言う状況ですか……これ?」

「……あ、律」


律が、葛葉が五十鈴の腕を後ろに回して机に押さえつけてる光景を見て、一言。そんな律だが、律もキャピーンとプリキュアみたいなポーズをとって復活宣言をしていた。

読んで頂き、ありがとうございます‼︎

葛葉と五十鈴はいいコンビですね!

面白いと思って頂けたら、ブックマークと評価をお願いします‼︎

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ