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四話 下手くそ演技1!

読もうと思っていただき、ありがとうございます!

早かれもう十三本目の投稿です。もっともっと面白い小説を投稿したいと思うので、楽しみに待っていただけると幸いです‼︎

あの後、草原を後にしてギルドに帰り、今日のことを報告した。受付のお姉さんに報告し、倒した分の報酬金を貰ったのは良いのだが。


「……こ、こんなに貰って良いのか!?」

「わ、分かりません」


予想以上に報酬金の量が多かった。


「これ、全部でどんくらい!?」

「えーっと、四〜五十万ぐらいですよ!?」


冒険者ギルドに備え付けられた、ファミレス店のテーブル席みたいな所でギャイギャイ騒ぐ二人。だが迷惑そうに見る人はいない、居るとしたら店員くらいだ。しかもその店員達も迷惑そうには見ていない。


「あ、もうお昼ですね。何か食べます?」

「もう昼なんだ。何でも良いよ」

「何でも良いって……今、母の気持ちが分かりましたよ」

「おぉ、一つ学んだな!」


そう言い合い、二人して笑う。


「葛葉ちゃーーーーーん‼︎」


と大声で人の名前を呼び、店の中だと言うのに猛スピードで走ってくる人影が。名前を呼ばれ、その声の方向を向くと、


「助けてくれーー!!」


涙目の緋月が抱き付いてきた。


「もうやだよぉ〜仕事じだぐ無いよぉ‼︎」


緋月は葛葉の胸元にぐりぐり〜と顔を埋める。涙で葛葉のジャージが濡れてしまう。先ほど付着した血は、ラグスの魔法で落としてある。


「ちょ、ちょっと……」

「あの、師匠? どうかしたんですか?」

「うっ、うぅ〜ラグス〜」


緋月は葛葉の胸から顔を上げ、声を掛けたラグスを見やり、助けを懇願しているような目になる。どうやら今回はおふざけとかは無しのようだ。


「あの、緋月さん?」

「葛っちゃ〜ん、もうやだよーやりたく無いよぉ〜」


あー、これ絶対仕事だな。葛葉は口を引き攣りながら、緋月が幼児よろしく号泣している原因を決定付ける。


「――はぁ〜葛葉。緋月どうにかしてくれる?」


と唐突に掛けられた声に、葛葉は振り向く。そこにはうんざり顔の葉加瀬が立っていた。


「葉加瀬さん。あの、これって……」

「察しているだろう? 全然減らない仕事にとうとう我慢できなくなってね。幼児退行してしまった」

「え〜」


確かに幼児みたいだ。いや、元々幼児みたいな容姿だし、そんな変わんないな。


「もうそろそろ休ませてあげた方がいいかな、と考えていたらこれだ」

「葉加瀬さんも苦労してるんですね……」

「全くだ……まぁこれも演技だろうが」

「? 何か言いました?」

「いや、何も」


葛葉は、葉加瀬が何か呟いた気がしたが、気のせいかと無視する。とりあえずは緋月をどうするかだ。


「……んー」

「姐さん。それじゃあ防具とか武器を買いに行くのに一緒に連れて行っては?」

「別にいいけど」


本当はワンチャンこの前見たいになりそうで嫌だが。


「う……うぅ……い、良いのかい……?」

「……はい」

「何でそんな嫌そうな顔なの⁉︎」

 

感情が表に出てしまった。泣き顔がさらに泣き顔に変わってしまう。葛葉はすぐに顔を逸らし、深呼吸をしてハリボテの笑顔を浮かべ、緋月に向き合う。


「絶対それ笑ってないでしょ‼︎」


案の定気付かれたが。


「……夫婦漫才は終わりにしても良いかい?」


と緋月と葛葉に葉加瀬の声がかけられる。


「夫婦漫才って」


どこが夫婦漫才だったのか、甚だ疑問の余地はあるが、一々言う必要もないため引っ込める。


「緋月には休息が必要だし、葛葉とラグスはお腹が減っているだろう。昼食を食べて、息抜きでもしてきたまえ」


葉加瀬はそう言うと去って行ってしまう。


「あっと、緋月はもうちょっと演技力をつけた方がいいよ」

「なっ!」


去り際、葉加瀬が緋月に向かって不可解なことを忠告見たいに、そう言って今度こそ本当に去ってしまった。


「……演技って?」

「な、何でも無いよぉ〜」


緋月は上手く吹けない口笛を吹きながら誤魔化すが。葛葉とラグスは胡散臭いものを見る目で緋月を見るのだった。

読んでいただき、ありがとうございます‼︎

これからもジャンジャン投稿していくので、是非是非読んでください‼︎

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