三話 はじめての戦闘
どうもブックマーク、評価ともに高くて感無量中のんぷぁです。もう、本当に、泣きそうで泣きそうで、ずっと手が震えてます。
この話も楽しいと思ってもらえれたら嬉しいです!
一時間後
銀色の軌跡が二体を同時に両断し、小さな影が俊足を持って一体の首を刎ねる。オリアの街を出てすぐ、だだっ広い草原でモンスターを狩りまくる二人組は、連携が凄まじく、多勢に無勢だった状態から持ち替えした。
「姐さん! 右斜め後方、二体です!」
葛葉の背後をとっていたモンスターは刀を腹に刺さされ横に切り裂かれる。臓物を撒き散らし、仰向けで倒れる。
「ナイス〜」
ワンチャンやられるとこだった葛葉はラグスにグッドサインを送りる。ラグスはラグスでモンスターを一斉に相手取っていた。大剣を一閃すれば一気に何体も血を噴き、地面に倒れていく。
Lv.4は伊達では無いのだ。
「それよりも、姐さん……かなり戦い方がなってますね! 本当に一般人だったんですか?」
「戦闘中に会話とは、強者の余裕か?」
「いえいえ、気になっただけです」
すぐさま二人は会話をやめ、先頭に戻る。が、ラグスの疑問も最もだった。葛葉は正真正銘の五年間部屋に引きこもりであった、どうしようも無い人間だった。ただし、運動音痴ではないため、運動面では早々遅れは取らないが、ここは異世界だ。じゃあ何故、こうもラグスが驚くほど出来るのか、それ至って簡単。
(スキル『想像』十分強いな。でも、疲労感がやばいし、頭痛も酷い……けど! こんくらいなら耐えられる!)
炭○郎だって骨折れてても頑張ってたし! 兄貴は兄貴らしく、我慢だ! そんな葛葉の前に、三体のモンスターが現れる。
(想像しろ)
葛葉は瞑目し想像する。迫り来る一体に刀を突き刺し、背後から迫るもう一体を蹴り飛ばし最後の一体もろとも首を突き刺す。
両目を開けると、予想通り飛び掛かっていた、一体の腹部に思っきし刀を突き刺す。口から血を噴き出し、体から力が抜ける。
そして、刀を引き抜くと同時に後ろのモンスターの顔面に回し蹴りを、食らわせる。モンスターは、そのまま蹴飛ばされ後ろに控えていた、最後のモンスターと一緒に倒れ込む。
それを確認し、葛葉は猛スピードで走り、起き上がったモンスター二体の首に刀を突き刺した。
「……こうも上手くいくと、逆に怖いな」
呟きながら刀を引き抜き、血を払う。
「お見事です!」
「……ゆうてこっちは9体しか倒してないからね?」
褒めてくるラグスの後ろには、無数のモンスターたちの屍が山となって築きあげられていた。
「姐さんが集中できるよう、こっちであらかた片付けていましたから!」
「それってなんの意味も……」
と言おうとしたがやめた。これも、ラグスの気遣いなんだから。確かにまぁ、戦闘に集中は出来たし、感覚は大体掴めれた。これには感謝しかない。
「てか、クエストの内容ってこのモンスター達を五匹討伐だったよな? 五匹以上倒してね?」
「まぁ突然だったので仕方ないですよ。でも、この数はおかしいな」
そう、このモンスター達は突如土から現れたのだ。しかも数え切れないほどゾロゾロと。
「そういや、ゴブリンもこんくらいの群れだったよな?」
「……確かにそうでしたね……一体何が? あ、とりあえずギルドに報告しましょう」
「だな、ジャージも汚れちゃったし」
今の葛葉の服装はジャージだ。ブカブカで動きにくいが、同Lvのモンスターに遅れを取ることはない。
「……姐さん、この後って用事あります?」
「用事? ……特にないかな。ラグスは?」
「俺もありません。ですので、今日は姐さんの防具と武器でも買いに行こうかなと」
笑いかけそう言ってくれるラグス。そんなラグスに、葛葉は、
「いいの? 金とか大丈夫?」
金のことを心配していた。
「大丈夫です!」
「……なんか、悪いな。何から何まで、ずっとおんぶに抱っこだな」
「……そんな事は無いですよ。俺が、やりたくてやってるんですから」
「――ッ。それを無下にすんのも、ダメだよな」
いつか、こうやって話し合えたり出来なくなる。その日は唐突に、音もなく忍び寄ってきて、大切な物を掻っ攫っていくんだ。
甘えれるなら甘えれる時にしとくべきだ。俺は同じ轍は踏まない。次は喪わない、喪わせない。運命ってのが誰かの意思で決められるんだったら、抗ってやる。もう二度と、あんな思いはしたく無いし、誰かにさせたく無い。
「それじゃ、行きましょうか」
「だな」
鬼代葛葉――幼少の頃に両親を交通事故で亡くしている。
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