四話 新たな朝
遅れてしまいすいません!
朝日が世界を照らし出し、街に喧騒が戻ってくる。いつもの朝、いつもの日常。もう何十回と見た景色は飽きる事なく、いつも見てしまう。
「私がこんな事思うなんて……」
その度に葛葉は自分に驚くのだった。
湯気を立てる、手元にあるあっ熱つのコーヒーを口元に近付け、ふぅーふぅー! と何回も息を送り冷めたと思い一口啜る。
「あひゃ⁉︎」
盛大に舌を火傷してしまった。
舌をべ〜っと外に出し、ジンジンする痛みに目端に涙が溜まる。お盆の上に置かれて居た氷を手に取り、火傷した箇所に付ける。
「……五十鈴は本当に頼りになるな」
五十鈴は葛葉に使えるようになってから、ずっと一緒にいる為、葛葉のことを熟知していると言ってもいい。
葛葉が猫舌なのも、
「葛葉が実は緋月とイチャイチャするのが満更でもない事も……」
「……ありえません‼︎」
と葛葉の思考を読み取って居た緋月に、葛葉は舌を冷やして居た氷を噛み砕きながらツッコんだ。
「むぅー、どうして葛っちゃんはボクの事を毛嫌いするんだい!?」
「自分の胸に手を当てて聞いてみたらどうですかー?」
「むむっ! 丁度いいそのメスガキ感……。ぐへへ、お姉さんが分からせようっかな〜!」
一言言うと何言と言葉が出てくる二人。最早お笑い芸能人だったり落語家にでもなればいい程だ。そしてそんな所に、頬を上気させ、タオルを肩に掛け、着物姿の五十鈴が部屋に帰ってきた。
「緋月様、いらっしてたんですか?」
「おぉー朝風呂かい? じゃあ今すぐ入ってこよっかな?」
「気持ち悪い事言ってんじゃないですよ」
とセクハラもセクハラ、ドセクハラ発言をした緋月の後頭部を、葛葉がペシっと叩く。そんないつも通りの日常に、五十鈴は嬉しくなるのだった。
「何だよぉ〜……あっ、葛っちゃんも入る?」
「入りません」
「入ろうよー、ボク達前に一緒に入ったろう?」
上目遣いで懇願してくる緋月を、葛葉見下しながら拒否し、次第に懇願の仕方が下心を帯びてきた頃。緋月のそんな発言に五十鈴が反応した。
「……そうなんですか?」
「……ん? あー……フヒっ」
五十鈴の問いに、緋月は一度魔を開け思案して、小さく笑う。
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