第二話 はじめてのクエスト
評価ポイント……10!? 驚きすぎて声が枯れてしまいそうでした。
評価して下さった皆様、ブックマークに新たに追加してくれた皆様、本当にありがとうございます‼︎
「……ん? あっ! 姐さん!」
あれから風呂から上がり、葛葉はクエストを受けに、緋月はまだまだ溜まっている仕事を終わらせに。それから、スミノにはあの事を人には言わないでと、そうお願いしといた。
「遅れて、めんごめんご」
平謝りの葛葉に、ラグスは文句を言わず、先に取っておいたクエストの紙をテーブルに広げる。
「……これは?」
「初心者用のクエストですよ、まずはクエストに慣れないとですから」
RPGのチュートリアルみたいなもんか。
「これって危険なん?」
「いえ、不帰の森ではないですし、草原のLv.1モンスターですので危険は全くないかと」
「ほ〜ならまぁ良いか。てか、武器ってあんの?」
「姐さんのですか? それなら、これで良いですかね?」
とラグスが取り出したのは一つの刀だった。
「刀か」
「一応かなりの業物ですよ!」
「いいのか?」
「はい!」
ラグスの師匠になったは良いが、師匠なのに何も与えれてねぇな。どっちかっつうと貰ってばっかだ。刀の柄を握り、鞘に刀身を納めたまま軽く振るう。
元剣道部だった葛葉にはよく馴染む。久しぶりの刀だ。と言っても実際の刀を持ってた訳じゃないが、木刀なら持っていた。
「……ほ〜確かに良い物だ」
降り心地も、握り心地も抜群だ。重さも丁度良く、長さも良い。
「どうですか?」
「丁度良いな。これなら戦えそ」
ダメだったとしても創造で銃でも作れば良いし。
「それじゃあ俺は受付に出しに行きますね!」
そういう時ラグスは足速に受付のカウンターへ向かう。それを見送り、葛葉は椅子に座る。
ラグスから貰った刀を見て、ウェヘヘとニヤける。その刀はまず、見た目がカッコいいのだ。白を基調とし、男のロマンをくすぐるような鍔や柄、頭は黒く、刀身も黒い。というか、刀って時点でカッコいい!
「――楽しそうやね〜」
とニヤニヤしていた葛葉に声がかけられる。葛葉はニヤけ顔を辞めて声の方に目を向けると、そこには白髪の美少女が葛葉を微笑ましそうに見ていた。
「……えーっと」
「あぁ、突然声かけてごめんな〜」
関西弁にも似たその口調に葛葉は顔を傾ける。
「えらい可愛い娘がおったんでな〜」
「……?」
葛葉はその白髪の少女の言葉に頭の中がはてなで埋まる。何故なら、その白髪の少女は、
「見えてるんですか?」
目元に神秘的な布を巻いていたからだ。
「ん? あーこれなー、これはマジックアイテムなんよ〜」
「マジックアイテム?」
白髪の少女は目元の布を指し答えてくれる。
「そ、これはかなりレアなんよ。名をね『天眼通布』ってんやけど」
「て、天眼通布?」
「これを着けてればな、君や他の人達が見ている事象と、異なった事象が見えんねん。まぁ、私は君達が見ている事象を見るために、着けんねんけど」
「ってことは……」
「そや、私は目が見えんねんよ」
と微笑む少女。
「これ取ったら、怖いで?」
「こ、怖い?」
「せやで〜。気になるん?」
「……ま、まぁ」
「ふっふっふーやったら……怖がらん?」
含み笑いをしていた少女は、哀愁が漂ってくるような顔で聞いてきた。
「怖がるって?」
「まぁ説明すんより、実物もん見させた方がええな」
そう言い、少女は目元の布を取った。
「…………」
「そやろな〜、大体はそな反応やねんな〜」
葛葉は絶句していた。少女が布を取り、閉じていた両の目の瞼を開けると、そこには本来あるべき眼球が無くポッカリ空いていたのだ。
「……それって?」
「んーしくじった結果やな〜、戦ってん最中にな〜油断してもうてんな〜」
普通デリケートな話なのに、白髪の少女はヘラヘラと笑って理由を言う。
「さてと、あんまし見せんのもどうかと思うし。私もそろそろクエスト行かなあかんからな。ほなまた」
白髪の少女は小さく手を振り、クエストを受けに受付へ行ってしまった。それと入れ替えで、ラグスが帰ってくる。
「……姐さん、あの人って?」
「ん? 誰かは知らないけど、話してた」
「そうなんですか。姐さんは凄いですね!」
「え? 何が?」
何故か誇らしげな顔のラグスに、葛葉は聞き返す。
「いえ、あの人はLv.6の上級冒険者ですから。二つ名は確か『白狐』といって、あの容姿と戦い方から付けられました」
「白狐? 虎じゃ無くて?」
「はい。狐って方が合ってますし」
「その口振りからして、『白狐』の戦い方を知ってんの?」
「はい、一回だけ。狐というか、ドラゴンですね」
「なんじゃそりゃ。……まぁいいや、あの人の名前って?」
「名前は、一って言うちょっと変わった名前なんです」
確かに日本でも珍しいな、日本でも珍しいなら異世界ではまずいないか。
「それじゃ、クエストに行きますか!」
「うぃ〜」
そうして二人はクエストに出発した。
これからも期待に応えれるよう精進していきたいと思います!
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