7/84
七人目
「先輩ってぇ、30にもなって童貞なんですよねぇ?」
「か、関係ないだひょ!」
「だひょっ!!!!」
顔を真っ赤にして否定する先輩が愛おしくてたまらない。
「だったらぁ、私で捨てません?」
「は、はぁ!?」
ますます顔が真っ赤に染まる。
「ま、考えといてくださいな」
それから一ヶ月がたった。
先輩はみるみるかっこよくなった。元々の素材が良かったのだろう。髪型やファッションに気を使うだけで輝く素材は持ち合わせていたのだ。
「え?彼女?」
そこから、先輩は馴れ初めや、私が焚きつけた。とか色々言っていたが何も頭に入ってこなかった。
「よかったですね!」
少し、先輩がぼやけて見えた。