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「転生体の準備?」
「はい、まず、転生体の素体となるサメを選んでください。」
天使は、こちらがカタログです。と渡してきた。
そこには様々なサメの種類と特徴が書かれていた。
「私としましては、初めはやっぱりホホジロザメの様な大型の凶暴性のあるサメがいいと思います。」
確かに俺もまずは定番のサメが良いと思うが、どうしたものか?
「あまり深く考えなくてよろしいかと思います。貴方様の直感で選んで大丈夫です。神も最初から成果が得られるとは思っていません。」
「そうか。直感ね。ならこれにするよ。」
俺が選んだサメはサメ映画の定番のホホジロザメにすることにした。
やっぱり、始めは定番。あの女神が初回の成果を期待して無いにしても、不甲斐ない結果を残す訳にもいけない。
奇抜なのを選んで成果が得られなかったら、解雇もあり得るかもしれない。
「サメを選んだ事ですし、次のステップに移ろうと思います。」
「続いての作業としてはこのサメにスキルの付与を行ないます。」
「スキル?それはどういうものだ。」
「そうですね。先にスキルとスキルの強化の説明をします。」
この天使が言うにはスキルとは特殊な技能であり、これからの仕事を達成するのに不可欠な要因だと言う。
そして、スキルには上限5回の強化が出来る様だ。その強化の仕方にも色々種類があるらしい。
「まずこちらが、スキルの一覧であります。それを見ながらでよろしいので、スキル強化の説明に移りたいと思います。」
俺は、早速渡されたスキル本を見ながら、頷いた。
ちなみに、初回は取得は一個だけだ。
「スキル強化には、ポイント制、レベル制があります。」
「ポイント制はスキル取得と強化を成果に応じて得られるポイントにより行うことを言います。こちらは一回の転生においてスキルの取得、強化に制限がありません。」
「それならこれに対して、レベル制はスキル取得にポイント等のものを必要としない代わりに一回の転生においての取得制限があります。なお、この制限は成果により変動します。」
「レベル制のスキル強化は転生後での、スキル使用により強化されます。」
天使はお好みの方を選んで下さいと言う事だ。
選び直しはないらしい。
正直どちらでもいい。やるべき事は変わりない。それにどちらも、成果制には変わりない。なので、楽しいほうを選ぶ事にする。
「レベル制にするよ。そっちの方が面白そうだ。」
「そうですか。スキルの方は選び終えましたか?」
「あぁ、これにするよ。」
俺はスキルの中で一番シンプルな物にした。
スキル名 牙
効果はその名の通り歯の強化だ。より鋭く、より硬くなるたいものだ。それに伴い、顎も強化される。
このスキル本はサメ専用本では無いようだ。サメに使えないだろうスキルも沢山混ざっていた。サメに銃スキルや剣スキルはいらんだろう。というより、使えんだろう。
このスキルもサメに対しては追加効果として、歯が折れても、生え変わりスピードアップというものがあった。
「なるほど。分かりました。その様に付与、調整します。」
「準備はこれで終わりか?」
「はい、転生する世界に関しては神が決定されますので、貴方様がやる事はありません。ゆっくり休みになられてください。」
「じゃあ、お言葉に甘えて休ませてもらうよ。」
そこでふと思い出した。
「そういえば、お前の名前を聞いてなかった。教えてくれる?」
「申し訳ありません。私に名前はありません。貴方様が付けてくれて構いません。」
「そうだな。なら……シャシャにしよう。」
うん、我ながら良い名前だ。
「了解致しました。これから私の名前はシャシャであります。」