クレルと街へ行く
「良かったわね、2人とも了承してくれて」
ペンダントの中から小さな声でクレルが話しかけてきた。バンさんとギュリさんに、明日から王都に行くので野菜の出荷を二回分まとめて明日にしていいかお願いしてきたのだ。
バンさんは「ジェフさんに会いに行くのか? たまには親孝行しないとな」と優しく言ってくれた。詳しい理由を話せずにいるのは心苦しいけど、力やクレルそれにクラウスさんの事は内緒にしておいた。
ジェフさんとライラさんに会いたいなぁ、クラウスさんに頼んでみよう。今回は勝手に行ったら怒られそうな気がするし。
「ねぇクレル、市場に行ってみない? 果物をもう少し育てようと思って」
「いいわね!行ってみたいわ」
あまり大きな声で話すと怪しい人になってしまうので気を付けながら話す。市場は初めてというクレルに「色んなお店があるから色々買おう」と話しながら歩いていると、あっという間に市場の近くまで来た。
よく考えたら女の子同士で買い物って初めてだ!
わー! やだ楽しい! ちょっと張り切って買い物しちゃいそう。
パンケーキパティーの為にもジャムの種類は増やしたいし、そろそろ違うお菓子も作りたい。種植えの時期を考えないでなんでも買えるってステキ! あぁ楽しみだ。
――――またやってしまった。買いすぎた……
「前から思ってたけど……リゼって熱中すると限度を忘れるわね」
「うん、ごめん。……クレルも気付いたなら言ってよぉ」
「あんなに人がいる所で話しかけれないわよ。それに途中で諦めたわ、あんなに楽しそうに買ってるんだもの。苗木は力で森まで運ぶわ、人がいない所までは頑張って運んでね」
――本日のお買い物――
・チーズ
・ベーコン
・小麦粉
・砂糖
・蜂蜜
・りんごの苗木
・ぶどうの苗木
・すいかの種
・メロンの種
・レモンの苗木
・いちごの苗




