表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/101

魔力を使ってみよう

 クレルの教え方はとても上手だった。


 体の中を巡る魔力の流れや大気中の魔力の感じ方と取り込み方に魔力の出し方など。魔力が完全に切れると人も精霊も命の危機があるため少し疲れたと思ったらすぐに魔力を使うのをやめる事など。


 言われた通りに体の中の魔力を感じようと目を閉じて集中する。クレル曰く魔力とはじんわり暖かくすぐわかると…すぐ分かるだ…と? あれか…何でもそつなくこなしてしまう人の「大丈夫大丈夫! 簡単だよっ☆」と同じやつなのか。


「全くわからない…私才能ないんじゃ…」


「うーん、じゃあ私と一緒にやってみよう。私の魔力をリゼに流してみるから、さっきみたいに目を閉じてリラックスしてて」


 そう言うとクレルはふわふわと私の傍に飛んできて肩に手をのせた。


「いくわよ」


「あっ!」


 その瞬間温かな何かが体の中を流れているのが分かった。すごい!これが魔力なんだ。暖かくて心地いい、何かに守られてる気がしてホッとする。


「すごいよ! 温かくてすごく心地いい」


「私の魔力を心地いいと感じたのは、リゼが私の加護を受けたからだわ。フフフ。じゃあこのまま少し力を使ってみよっか。私が魔力を誘導するわ。胸の辺りに魔力を集めるてそこから右手まで移動させて外に出してみよう。リゼは水をイメージしながら魔力の動きを意識を合わせて」


 しばらくすると胸の辺りに熱が集まってきた。少しずつ移動している熱に、私も体の中の魔力を集めながら進んでいく。

 1度魔力を認識するとさっきまで分からなかったのが嘘みたいだ。段々と右手に近付いていき手のひらから一気に熱を押し出す!!!




 バッシャーーーーーーン!!!!




 水の塊が勢いよく飛び出し地上に落ちて来た。上から下までずぶ濡れだ……。


「リゼ、ちょっとやりすぎじゃないかしら?」


 えっ? 私のせいなの?? というかクレルはどこだ。周りを見てもクレルはいない。


「もー、リゼったら! ここよ!!」


 声のする方を見ると、ほっぺを膨らましながら怒っているずぶ濡れのクレルが地面に落ちていた。


「クレルーーー!! 大丈夫???」


 急いでクレルを手のひらにのせて家の中に入るとすぐに水を沸かして大きめの深いお皿にお湯を入れてクレルを中に入れる。飾っていた小さな花をいくつか花瓶から出してお湯に浮かせる。


「わぁ!」


 クレルの機嫌もなおったようだ。すぶ濡れになった服を着替えてくるとクレルもお湯から出て、浮かべてた花で髪飾りを作っていた。


「似合う?」


 薄ピンクのふわふわした髪に花飾りは少し大きいけれど可愛い!! やっぱりクレルは天使だ!精霊だけど。ニヤニヤしながらクレルをみていると、今度はクレルがニヤリと笑って「畑の庭」と言った。


「え? 庭がどうしたの?」


「私の魔力とリゼの魔力ですっごい事になってるかもね」


 ガバッと立ち上がって急いでドアを開ける……。


「なにこれーーーー!!!」


 庭に出て周りを見ると辺り一面に野菜が溢れ花は季節関係なく咲き誇っている。一部野菜が巨大化しているのもある……森の家じゃなく森と一体化した家になってしまった。


 クレルがふわふわと飛んできて肩に乗ると

「思った以上に凄いわね」とつぶやいていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ