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パンケーキと精霊の花

 さくらんぼと自家製ジャムを乗せたのと蜂蜜たっぷりの2種類のパンケーキはお気に召してくれた。


「おいしい〜!! 幸せだわー、もう私リゼから離れられそうにないわ」


「大げさだなー、まだまだあるから沢山食べてね」


 クレルのパンケーキは10センチぐらいの大きさにしたからパンケーキの素はまだまだ残っている。

 クレルのお代わり分を2枚焼いたあと、自分の分も作ってパンケーキをテーブルに置いてから紅茶を用意する。


「クレル、紅茶ここに置くね。熱いから気をつけて飲んでね」


 もぐもぐと口いっぱいに入ったパンケーキで何と言っているか分からないが、頷いているから大丈夫だろう。

 さー私も食べよう! パンケーキと程よく甘いジャムの相性が何とも言えず美味しい


 2人ともお腹いっぱいになったところでクレルが


「今まで食べた中で一番美味しかったわ! 久しぶりの食事でだいぶ魔力も潤ったし」


「食べ物で魔力が潤うの?」


「緑の魔力は癒しの力もあるの。リゼの料理は美味しいし魔力も補充出来るし私たち精霊にはたまらないわ!」


 詳しく聞くと、どうやら私の作った作物や料理には緑の魔力が入るらしい。精霊は大地や大気から魔力を貰えるけれど口から入る料理の方がより魔力を補充できるようで、今のクレルは元気いっぱいだ。


「リゼ! 庭に花を見に行こう!!」


 やっぱり花が好きなんだね。急いで行くほど好きみたいだし沢山植えてて良かった。羽をパタパタさせながら言うクレルにこっそり悶えながら帽子をかぶりエプロンを付けて外に向かう。



 ドアを開けるとそこには見た事のないキラキラと光る真っ白な花が咲いていた。ここは昨日本屋で貰った種を植えた場所だ。


「これって昨日植えた種の花?」


 尋ねるとクレルは懐かしそうな顔をして


「そうよ、魔力を持ってる花なの。精霊はみんなこの花が大好きなのよ。リゼがこの花を咲かせてくれたからペンダントの外に出れたの。魔力はリゼからもらって回復してたけど、外に出るには足りなかったから。精霊の宿る花って昔は人間の世界でも呼ばれてたみたいね」


「えっ、もしこの花が無かったらクレルはずっとペンダントの中だったの?」


「んー、しばらくはそうだったかもね。気長に魔力が溜まるのを待つつもりだったし、リゼを見ながら過ごすのも楽しかったから。でもリゼの魔力だとそんなに時間かかるとも思えなかったもの。質も良いし魔力量も多いから、少しずつ力の使い方を私を通して教えようと思ってたの」


 朝はあんなにせっかちだったのに、クレルって気が長いのか短いのか。可愛いからどちらでも良いけれど……あぁイカンイカン、ダメな子を製造してしまう思考になってたわ


「クレルを通してって、雨を降らせたり野菜を成長させたりしてたこと?」


「そう! 力を使っていたら体が魔力の流れを覚えるの。今までは使ってなくて蓋をした状態だったから。1度しっかりと覚えると魔力で体が満たされるからその時に出ようと思ってたの」


 にっこり笑って話すクレルはやっぱり可愛い!


「じゃあ力の使い方を練習しましょう! 基本さえ覚えたら簡単だからまずは水からね」

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