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精霊との出会い

 白や黄色、赤色に水色沢山の花が咲く花畑にいる夢をみた。優しく甘い花の匂いもする……する?


 ん? 本当に花の匂いがする


 ━━━━━きて……ねぇ、起きてよ!!!!



 その声に寝ぼけていた頭は一気に覚醒する


「やっと起きた!」


 目の前には羽の生えた小さな女の子がいた。……覚醒したのは間違いのようだ、まだ寝ぼけてる。もう一度寝よう。


「ちょっと! どうしてまた寝ようとするの!!」と小さな生き物が叫んでいる。


 訳が分からずに見つめていると、ふよふよと飛んでベッドの横にあるテーブルにちょこんと座った。


「か、可愛い!」


 薄いピンクの柔らかそうな髪に、くりっとした目

 、肌の色は白く形のいい鼻に唇はさくらんぼ色だ。ほっぺは怒っているのか膨らんでいる。


 急に褒められて機嫌がなおったのかフフンっと笑ってそれはもうニコニコしている。

 もしかして妖精なのかな、絵本で見た絵にそっくりだけど、逃げたり隠れたりする様子もないし話しかけて大丈夫かな……可愛い女の子を目の前に話し掛ける理由を一生懸命考えていると。


「私クレルって言うの。あなたリゼでしょ?」


 なんとかわい子ちゃんは私の事を知っていたのか。クレルって言うんだ〜名前も可愛い! 全部可愛い!!


「人間の世界に遊びに来た時にケガをして治るまでそのペンダントに隠れて眠ってたの。やっと外に出れたわ!」


 全然気づかなかった。そしてペンダントって隠れられるの? 足をぷらぷらさせながら話すクレルに聞きたいことは沢山あるけれど、まずケガは大丈夫か尋ねた。


「もうすっかり元気よ! リゼのおかげだわ!」


「私の?」


「そう! リゼは緑の魔力持ちでしょ? 私たち精霊にはとても心地いいし癒しになるの。前の持ち主は魔力がなかったから中々傷が癒えなかったけどリゼが持ち主になってからあっと言う間に治ったわ!」


 妖精じゃなくて精霊だった。ち、違いがわからない……。


「前の持ち主っておばあちゃん?」


 それに魔力持ち? 

 私が持ち主になってから傷が治ったって、もしかして、水が出たり野菜が育ったりペンダントの力と思っていたのは私の力だったってこと?


 私、魔法が使えるの?


 ドキドキと鼓動が速まっていくのがわかる。


「えぇ、そうよ。魔力は無かったけど花や草木が好きだったでしょ? だから眠るのに心地良かったの。ほとんど眠ってたんだけどリゼが持ち主になって目が覚めたわ」


 確かにおばあちゃんは、草や木花が好きだった。私が今困らずにこうして畑仕事ができているのもおばあちゃんに小さい頃から教えてもらっていたからだ。


「リゼ」


 クレルは私の名前を呼ぶと優しくほっぺにキスをした。くるくると温かな青い光の粒子が体を包んでいく。……温かい。


「リゼに感謝と祝福を……」


「祝福……!?」



「私の祝福はすごいんだから! リゼったら何の準備もせずに1人で旅をするんだもの。ペンダントからは出れないし無事にこの森に送るくらいしかできなかったわ。何度祝福をあげれたらいいって考えたか」


驚く私に、クレルは悪戯っ子のように笑った。


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