種植え
森の家に着く頃には日も傾いてきた。
沢山歩いて足がパンパンだけれど、早く水やりを終わらせて本を読みたい。
「水をお願い」
畑に向かって呟くと水が降り注ぎ今日の水やりもあっという間に終了する。最近はイメージすると水の強弱もつけれるようになった。
そうだ貰った種を植えてみよう! 袋から取り出すと小さな白色の種が1つ入っていた。
「白色の種ってめずらしいなー。それにしても1つかぁ、ちゃんと芽がでるかな。貴重な種かもしれないし失敗したくないなー」
花壇の横のスペースに植えよう。ここには薬草を育てる予定だ。今日買った本を見ながら森で探したい。これだけ沢山の木や草があるのだ、見つかるといいな。
地面に人差し指で穴を開けると種を入れる。優しく土をかぶせて、ペンダントを握りしめると目を閉じて精一杯祈ってみる。
「立派に育ってね……」
もしかしたらもう芽が出てるかも、と少し期待しながらゆっくりと目を開ける……うん、変化なし。
野菜にしか効果ないのかなぁ……。
「そう上手くはいかないよね、さーて夕飯はパンにベーコンとたまごを乗せて、後はサラダとポタージュスープにしよう。ささっと終わらせて本よまなきゃ!」
夕飯を済ますと、大きめの桶に沸かしたお湯とペパーミントで作ったオイルを数滴入れる。
爽やかな香りが部屋に広がるこの瞬間が好きだ。
「はぁー、いい香りだわ」
スゥーっと息を吸い込んだ後、タオルを濡らして体を拭いていき最後に髪を桶に付けて洗う。
爽やかな匂いで頭もスッキリだ。
大きめのワンピースに着替えてタオルを頭に巻きイスに座わり、昼間買った本をページをめくっていく。
「えーっと、先ずは薬草とは……」




