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転生者よ~シリーズ、ホワイトデー番外編 「リアねぇへのお返し」

「リアねぇ!」

「リア姉さん!」

 偶然揃った声に、私とクーねぇは顔を見合わせあった。

「……どうしたの、2人とも」

 ぼんやりとした様子で首をかしげるリアねぇ。

「ここ数日、リア姉さんは自室にずっと籠っていたでしょう?」

「そうそう。だからチャンスを逃さないようにしようと思って」

「……?」

 首を傾げ、不思議そうなリアねぇの様子に、ちょっと不安になってくるが……。

 まあ、違っても数日だし、作ったものは仕方ないし、大丈夫だろう。

「はい、リアねぇ」

「はい、リア姉さん」

 後ろに隠していた手をリアねぇに向けて差し出す。

「……お菓子?」

 受け取って、中に入っているものに気付いたのか、リアねぇはまた首を傾げる。

「「うん」」

「今日はホワイトデーだろう? ……バレンタインデーから計算したんだが、間違ってたか?」

「わたしは説子が教えてくれたから便乗してみました」

 にこりと2人で笑顔をリアねぇに向け、徹夜でもしてるのか反応が鈍いリアねぇの反応を待つ。

「……ああ、確かに今日はホワイトデーね……。開けてもいいかしら?」

「「もちろん」」

 ***

 するするとクーねぇの差し出した袋のリボンを解き、出てきたお菓子……四角く成型されたキャラメルに、リアねぇは顔を綻ばせた。

「わたしにとってリア姉さんは、『安心出来る人』だから。説子にお願いして、頑張って教えてもらったんだよ」

「もちろん、クーねぇが1人で作ったものだ。だよね、リアねぇ」

「うん。味見もしたし、ちゃんと美味しいと思うよ」

 ぱく、と1つキャラメルを食べて、美味しいわ、とリアねぇは笑った。

 ***

 私の渡した袋を開き、ころんとリアねぇの掌で転がったそれを見て、リアねぇは嬉しそうに笑った。

「私からマカロンだ。リアねぇは『特別な人』だからな。あ、変な意味じゃないぞ? 家族としての親愛だ。

 本を読むばかりで、読書の邪魔になるか否かで人を判断していたような欠陥人間だった私が、リアねぇとクーねぇの事なら、本を放り出して行くぐらい大事になったんだ。

 だから、このマカロンを贈りたいと思って」

「なるほど。この色ってもしかして、リアねぇとわたしと説子の色?」

 リアの手にあるマカロンは、橙色と赤色と青色の三色。

「クーねぇの言う通りだ。橙がリアねぇの瞳、赤がクーねぇの髪と瞳だな。私の青は、2人と同じで髪や瞳に合わせると黒になってしまうから、私が元々好きな色にしてみた」

 それまで私たちの会話を静かに聞いていたリアねぇは、「嬉しいわ」と笑って、青いマカロンを口に放り込んだ。

 ***

「2人とも、ありがとう。すごく嬉しいわ」

 ふわりと、花が咲きそうな笑顔で、本当に嬉しそうに言ってくれて。

 作って良かった、と2人は心から思った。

解説

 リアが籠ってた理由:研究かなんか。詳しくは決めてません。

 2人のプレゼント:実際、ホワイトデーのお返しには種類や味で意味があるそうです。

 バレンタインの時に説子が迷っていたマシュマロには悪い意味と良い意味の両方があるので、それはボツになりました。

 

 説子のマカロンの意味ですが、本当に他意はありません。

 本人の言う通り、読書以上に大切な物が無かった説子に出来た、読書以上の大切な人がリアとクーであり、彼女たちだけは「特別」ではあるけれど、そこにあるのは親愛、家族愛のみで、恋愛はありません。

 

 ちなみに、クーは本文で話した「安心できる人」という意味の他に、個人的に「頼りに出来る人」という意味も含めています。

 「リア姉さんに頼れば、この問題は解決するんだって安心出来るから」(byクー)

 こっちの「頼りに出来る人」の方に関しては、実際のキャラメルには、たぶん無いと思いますが。

 

 転生者よ~シリーズに恋愛要素は0ですし、ガールズラブ要素も一切入りません。

 大事な事なので繰り返しますが、このシリーズに恋愛要素はゼロですし、ガールズラブ要素も一切入りません。

 このシリーズのメインキャラは全員、恋愛なんぞしません。そういうのは賢者シリーズ辺りとか、別のキャラに期待してください。

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