プロローグ
初めまして、BL作品はあまり受けないと思いますが頑張ります。
クリスマスの冬…俺はこいつの親友でいようと思った。
今でも泣き出しそうな顔をして雪の降る中男二人は家路につく。
俺の横を歩いてるこの男、神風俊介はかなりのイケメンだ。
身長も高いし、顔もいいし、家が金持ちだ、おまけにこいつは彼女もいない。
しかも史上最高に性格もいい、はっきり言ってモテる。
こいつは俺が出会ってきた人間の中でもダントツにイケメンだった。
そのイケメンの横を歩く俺、中田健二は至って普通、顔も普通だし身長も普通、家も普通だし、はっきり言ってモテない。
しかし、彼女は欲しい。
さて、今俺たちは中学三年。
雪の降るホワイトクリスマスの中、男二人が肩を並べて重い雰囲気の中、俺は口を開ける。
「まさか俊介が始めて好きになった人に彼氏が居たとはな…」
「……」
そう、最強のイケメンの神風俊介は初めての失恋していたのだった。
性格のいい俊介はかなり自己評価が低い、例え学校1のマドンナに言い寄られていても、「俺なんかが彼女に好かれているわけないよ」と思っているに違いない。
ここまでくると嫌味っぽくなってくるのだが、俺はそんなこと思わなかった。
なにせ、俊介の好きな人を知っているからである。
俊介が始めて好きになった人は同じクラスのちょっと地味目な女の子。
本当にザ・普通みたいな感じで、ギャルゲーに例えると、ちょっと出番はあるけどメインヒロインじゃないし、攻略も出来ないし、サブキャラみたいな感じだ。
最初の出会いは俺と彼女がお互いのサブキャラ的シンパシーを感じて仲良くなり、そこで俊介も初めて彼女の事を認識した感じだった。
よく見ると、普通に可愛いしその…なんていうか保護欲を掻き立てられるそんな感じの子だった。
俊介もますます彼女にのめり込み、クリスマス当日、遂に告白という形まで漕ぎ着けたのだが。
『ご、ごめんなさい……私、彼氏がいて…』
そこで俊介の初恋は終わった。
彼女も俊介に好かれていたことは分からなかったらしくて、最初告白された時は『……なんのご冗談で?』みたいな顔をしていた。
冷静になって考えてみると、彼女は俊介と付き合ったら確実に自分がほかの女にイジメられるから適当に嘘をついたのかもしれない。
だがまあ、振られた張本人はそんなことまで頭が回らなくて、俺の横で顔を真っ青にして落ち込んでいるのだ。
「あ、ああ…………あああ……」
「おーよしよし、悲しいなぁ…そうだ俺ん家来るか?こうなったら男二人寂しくケーキでも食いながらゲームでもしようぜ!」
「ああ…………健二…お前……いいやつだな……」
「馬鹿野郎、当たり前だろ?こんなにナイスでクールガイな俺様だぜ?」
「はは…言ってろ…」
こうして男二人でこの年のクリスマスは寂しくケーキ食いながらゲームをしたのだった。
でもなぁ、俺も一回でいいからこんな経験してみたいぜ、俊介に構ってばかりで自分の恋愛を疎かにしていたしなぁ…
高校に行ったら…恋とか…出来んのかな。
俺はこの時この後に待ち受ける訳の分からない惨劇に巻き込まれるのを知らなかったのであった。
「……健二、俺お前のことが好きだ付き合ってくれ」
「…………なんのご冗談で?」