第3章「誰かが夢中 前編」ガイドブック 1
予想していたよりもルクトへ入るのが遅くなっているレギュラーメンバーですが、やはりどうやって行くか、というシーンについては省略したくなかったので、少しだけ書いています。
私自身はエコノミーしか乗ったことがないはず(?)なんですが……。国内では少し上のクラス(ビジネスとも違う)で快適に移動したこともあります。また、乗ったことがない、とはどーいう意味で?と聞かれるとうろ覚えなんですが、若い頃にチケットがなかったのか、ツアーかなんかでどエライ広い席に座らされたんですよね。あれがビジネスだったんではないかと。
ちなみに、世の中のセレブはホントに不思議なことを考えるな、と感じたことも再三再四。
「そんなバカな……」みたいな女性とバイト先で知り合ったことがあるんです。詳しくは書きませんが、私の人生の中でも七不思議のひとつですね。そもそもなんでこんなトコへバイトへ来るんじゃ!?という大いなる疑問。その女性が銀座のブランドのビルのカフェへ行く、というんでついていったら、その日のバイト代はふっとんでしまいました。もちろん彼女が支払ってくれましたが……その方は旦那様と転勤先の国へいつもファーストクラスで移動なさっていました。
私の知り合いも何か、公的なことで招待された場合はファーストクラスで移動する、と聞いたことがあります。明歌たちのように政府の要人でもない庶民が専用機に乗ることは通常ではありませんが、それだけの権限がロイクにある、と思ってください。それによって、この先のストーリーはわかりやすくなってくるかもしれません。
皆様もお気づきの通り、ロイクの国ルクトシュタインはルクセンブルクをモデルに描いています。
とはいっても、もちろんまるごとルクセンだけというわけではありません。欧州には一つの県ほどの大きさすらない小国が他にもあります。モナコやアンドラ公国などもそうですし、今回はルクセン以外でリヒテンシュタインも参考にしています。
さて、いちおう設定段階から、ロイクは比較的王室の中でもさまざまな制約を受けにくい環境にしてあります。遊ぶの大好きなんで、お金も派手に使えるようにしてあります。尤も彼の場合はただ遊んでいて事が終わるわけでではないことが読み進んでいるうちにおわかりいただけるかと。
結果として、どうなっているかといったことですね。ロイク自身はほとんど何も考えていませんから。ただ、このあたりはたぶん、意識のなせる技と言えるでしょう。
たまに、こういった人がいます。つまり、何も無意識だとか現実のしくみだとか学んだことがないけれど、人と競争することもなく、すいすいと人生を進んでいく。
でも、そもそもロイクのような個性が突出してるような人間なら当然だと思うかもしれません。
じゃあ、ファブリスは大人しいからこーなってしまったのか…?というのがこの第三章のひとつのテーマでもあります。誠の腕の見せ所ですね。彼は加納のような才能はありませんが、とにかく耳だけはスーパーマン、あとは加納が彼をどのように導いているかと言う一端も垣間見れます。
ルクセンは王室だけでなく、国民のほとんどが豊かさを当たり前のように享受できる国、でもあります。この国の住人はおそらくお金に多少困っても、翻訳や通訳だけで生きていけるのではないか?と思うほど語学に長けています。
もちろん、そういった語学屋さんにならずとも国民は仕事で困ってはいないようです。欧州ではエネルギー資源に頼ることなく経済政策が成功している唯一の国といっていいかもしれません。
さて、ルクト編ではかなり大勢のキャラクターが登場します。今までの章の中では最高人数かもしれません。……といっても、読者の皆様に把握できないほどの人数は出てきません。まず、先にロイクの両親である国王、王妃、弟のファブリスがご登場。オーバンはすでに番外で出てきていますが、小さい頃からロイクを育てる手伝いをしていますから、ロイクに一番物が言える人です。
この章に入って、初めて隼優の父親が出てきましたが、彼は見た目は隼優をおじさんにした感じで似ている設定なのですが、性格はあまり似ていません。
他にも新しいキャラクターが次々と登場するので、これまでの章と比べると少し騒がしい雰囲気はあるでしょう。更新は遅いですが、ぜひまた読みにいらしてください。