第2章「明人の本音」ガイドブック 2
第2章では明人と明歌の両親が登場しましたが、皆様の予想ではどんな感じだったでしょうか。やはり、二人に似た、美男美女のカップルを予想されていた方もいらしたかもしれません。
私自身は当初から父親は『たわし顔』と決まっていました。そして、二人は小さい頃「捨て子、捨て子」とからかわれるほど親に似ていない、というエピソードにしたかったのです。明乃はとても40代後半には見えない可愛い女性ですが、性格は天然を超えた天然(?)で、二人には似ていません。
そもそも親に似ているということは決して喜ばしいことではないのです。親がいないのに幸せな人、親がいても幸せじゃない人、これは家系に関する無意識の状態でもあります。子供は親を見て育っていきますが、それはつまり親の親、つまりご先祖様をたどっているということでもありますね。
真面目な人ほどご先祖様をたどろうとします。日本であっても、世界であっても人間の進化の道のりは険しく、ご先祖様が苦労なさったりしたことは確かです。家系の中に困難な人生を歩まれた方がいて、その方の悲しみを引き継ごうとしてしまう子孫がいらっしゃいます。養子へ行った悲しみ、病気などもそうです。子孫は気づかないうちに同じ道を歩んでしまう。しかし、それは家系に問題があるというよりは、本人の無意識がそちらに向いているというだけなのです。誰一人として責めるべき人はいません。もちろん当の本人もです。
ご先祖様はきっとあなたの幸せを望んでいらっしゃいます。ですから、同じ道を行くのではなく、ご自分が幸せだと思う道へと舵を切られるのがよろしいのではないかと。
早く気づければ人生を修正できます。もちろん何歳からでもそれは可能ですが、やはり年をとればとるほど、自分の生きてきた環境や観念が強く根付いてしまい、修正が難しくなってくるように思います。
また、そこをスピ系とかでちょちょいのちょいってワケにはなかなか行かず……スピは一時的には効きますが、本人の考え方などが変化していない限り、元に戻ってしまいます。
私がこの物語を書いているのは、ご縁があった方々には楽しんで現実を生きていってもらいたい、という思いがあります。皆様が見ている現実を面白くできるのは皆さん自身の意識だけだからです。自分がこの物語を読んでいるのは偶然だとお思いになるかもしれません。でも、この大規模なサイトで私のストーリーを見つけるのはほぼ不可能でしょう。「めざメンター」からいらした方も同様です。
いわゆる異世界でもありませんし、18でもないですしね。恋愛要素もほぼありません。
それでも、皆様は見つけた。私からしますと、加納のような能力だな(笑)、としか言いようがありません。
注意すべきことは、人によって潜在意識と顕在意識の膜が違うということです。実はこれは栄養にも言えることなのですが、栄養士があなたに「これは食べていいけどこちらはビタミンがないからダメだ」とか言ったとしてもあなたの身体にとってはまるでデタラメ、ということがありえます。人の身体は栄養をどれぐらいとればオッケーなのか、ということも違うからです。
一般的に、潜在意識との間に九歳ぐらいまでにはシールドが出来上がるとは言われていますが、それまでにおっかない映画や漫画ばかり読んでいた人はそれを現実に呼んだとしてもなんの不思議もありません。そして、大人になっても少しシールドが弱い人がいます。そうすると、何かがきっかけで鬱になったり、人間が怖くなったりします。
それほど人の意識というのは実は強力なパワーを秘めているのです。私はこの物語であまりバトルを中心に描いていないのは、それが理由のひとつです。この章では珍しくアクションがありましたが、それもどうやってそこから離れていくのか、といったことを例として表すために描いています。
ですから、決してそれがメインになることはありません。根強い交渉を続けること、それによってよりよい解決へ導いているのが加納の目的でもあります。とはいえ、本若レベルになるともはや敵すらいない、という世界に生きているのですが……
第2章の次は短い番外編なのですが、本若がどういう人なのか、加納と何が違うのか、そのあたりを少し丁寧に描ければと思っています。加納のアメリカ時代の職業についても知ってもらえたらと思っています。なぜなら、今の日本にとって重要な課題のひとつでもあるからです。
そして、その短い番外編の次は、加納を除き全員が欧州の王家へ出向きます。王子などが登場するので、まんがちっくなストーリーになる予定です。ここのところ、国内のエピソードが多かったので、かなり非日常的な空間での彼らの活躍を楽しんでいただけるのではないか、と思っています。