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第70話 拾い食い。

ウンコ一行は階段を降りた。


地下3階に到着する。


職証君が言った。


「この階は、クソ複雑でクソ長い迷路です。

 魔物はいません。トラップもありません。

 ただ、腹が減るスピードが10倍なので、

 ご注意を」


「ありがとう、職証君」とルルナは言った。

「ウンコよりも役に立つな」とアゼレアは言った。


「まあ、事実なので否定はしませんが」

と職証君は言った。



ウンコ一行は地下2階に戻った。


そこで休息をとる。


まったく、ふざけてるよな。


ウンコだって、役に立ってるじゃないか。

盾やトラップ避けとしてだけじゃないぞ。

見張りとしても役に立っているんだぞ。


現在、ルルナとアゼレアは寝ている。

お腹いっぱいパンを食べた後だから、幸せそうだ。


ウンコは見張りをしている。


というかさ。


2人が寝ている間は、常に見張りをしている。

2人が起きている間は、常に活動している。


最後に寝たのは、出発前の5分休憩だ。

 

しかも、旅に出てからさ。

ウンコは薬草以外のものを口にしていない。


こっそり、

リュックサックの中にあるパンを食べたいけどさ。


やめておこう。


ケチ魔女の両手はさ。

ミリグラム単位で、

パンの重さが識別できるから、絶対にバレる。


だからさ。


腹いせに今までさ。

寝ている2人のオッパイとかをさ。


指でツンツンしていたんだけど、

それもできなくなった。


職証君が『ウンコの見張り』をしているからね。


なら、ウンコも寝かせてよ。


適切な睡眠はパフォーマンスを上げるんだよ。

クソ野郎。


 

十分な休息をとった後。

ウンコ一行は、

地下3階に降り、迷路の攻略を開始した。

 

繰り返すが、

この迷路には魔物もトラップもない。


というわけでさ、隊列変更。


先頭はアゼレア。

真ん中はルルナ。

最後尾はウンコだ。


ちなみに、この順番は、

『ルルナとアゼレアが考える』

俺たち3人の、

『賢さの高さ順』なのだそうだ。


ありえない。

俺がルルナよりもバカだと?


猿よりも、バカな人間がいるはずがないだろ?


類人猿以下のルルナは言った。

「ウンコよりも、

 バカな人間がいるはずがありませんからね。

 ぷっ」


人間を自称するルルナは

必死に笑いをこらえている。


そうだな。 

猿の惑星では、お前は辛うじて人間だな。

 

さて、そんなことより……


さっきから、

先頭を歩くアゼレアの様子がおかしい。


頭がおかしくなったしか思えない。


だってさ。

パンをちぎって、落としながら、歩いているんだ。


なんて、もったいないことを。


狂気の沙汰としか思えない。


というわけで……


ひょい、パク。

モグモグ。


最後尾のウンコは、

パンくずを拾って食べながら、歩いている。


超ウマイ。


炭水化物サイコー。

『甘いは正義』なのです。


というわけで……


ひょいパク。ひょいパク。

ひょいパク。ひょいパク。

 

ひょいパク。ひょいパク。

ひょいパク。ひょいパク。


ひょいパク。ひょいパク。

ひょいパク。ひょいパク……


突如、アゼレアが立ち止まった。

どうやら、行き止まりらしい。


「くそっ!」 

アゼレアがイライラしながら、そう叫んだ。


腹が減っているのかな?


そうに決まっている。

だから、壁を叩くという、

カロリーの無駄使いをしているのだ。

 

でも、ウンコはさ。

パンをちゃんと食べているから、イライラしない。


「さあ、気を取り直して、

 前の十字路に戻ろうぜ!」


このウンコの言葉を聞き、

アゼレアは気を取り直した。


「そうだな。戻るとするか」


アゼレアは後ろを振り返る。


途端に、

アゼレアの顔面が真っ青になって、固まった。


「パンがない……」

アゼレアはそうつぶやくと、絶句した。 

 

「本当です。パンくずがありません」

ルルナもそうつぶやいて、絶句する。


アゼレアいわく。


あのパンくずはさ。

通過した道がわかるように、

『道しるべ』として、

『わざと』落とした物らしい。


ヘンデルとグレーテルも、

童話の中でやっていたことだ。


ルルナがジト目で言った。

「最後尾のウン公さん、

 何か原因を知りませんか?」


ヤバい!


ウンコは黙秘権を発動した。


だが、かえって怪しまれてしまった。


「……ウン公。

 さては貴様、落としたパンを食ったな」


そのとおりです。アゼレアさん。


口惜しいが……

貴様だけは、

ウンコよりも賢いことを認めてやろう。


だが、ウンコは生きることを諦めない。


ウンコは超必殺技、

『シラをきる』を発動した。


ウンコはふてぶてしく叫んだ。 

「証拠はあるのか!? 証拠は!?」


ルルナとアゼレアはうめいた。

「「ぐぅううう」」


ふっふっふ。

俺が元いた世界ではな。


この超必殺技を駆使することによってな。

悪徳政治家たちが

正義の検察官たちを打ち負かしてきたんだ。


そんで奴らは今もさ。

国会議員として、悪行の限りを尽くしている。


『疑わしきは、罰せず』


ああ、法治国家の大原則。


マジサイコー。


でもさ。


動かぬ証拠があったんだ。


「私はウン公が、

 パンを食べているのを目撃しました」

職証君がそう証言してしまった。


ちくしょう。

職証君の存在をすっかり忘れていたぜ。


あのちり紙め。

ルルナの肩の上で、

ウンコを監視していやがったのだ。


ウンコは一応反論を試みた。

「アゼレア裁判長! 

 証人の発言には、信憑性がありません!」


ウンコは更に反論を重ねた。

「職証君は人間ではないので、

 証人の資格を満たしていません!」


程なく、アゼレア裁判長による判決が出た。

「職証君の方がウンコよりも信用できる。

 ウンコ有罪!」


この後、ウンコ一行は、

なんとか地下2階まで戻ることができた。


だから、

過去のことは水に流して欲しかったんだけどさ。


『犯した罪は償わなくてはいけない』

それが法治国家の原則だった。


ウンコは罪滅ぼしとして、

単独で迷路を探検することになった。


アゼレアは言った。

「完全な地図を作るまで、戻ってくるなよ」



3日後……

ウンコは地下2階に帰還した。


腹が減るスピードが10倍のダンジョンを

冒険した結果。


ウンコはマッチ棒みたいに、

やせ細っているのにさ。


アゼレアは即座に立ち上がり、言いやがった。

「今すぐに出発するぞ!」


まあ、薬草1枚食べたら、

元に戻ったからいいけどね。

ドクソ野郎!


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