第59話 買い物2。
こうして、最高級の武器。
ファブニール・ブレイバーの……
柄だけを手に入れたウンコ。
次は防具だ。
「今度なにかに触ったら、
お前の顔で福笑いをするからな」
そうアゼレアに釘を刺されているので、
『ウンコが触って、既成事実作戦』は
もう使えない。
だが、ウンコには第2の策がある。
ウンコは床を転げ回りながら、叫んだ。
「防具買って! 防具買って!
じゃなきゃここを動かないぞ!」
ウンコは注意を引くため、手足をジタバタ。
幼児のようにだだをこねる。
ルルナが母親のような口調で怒った。
「わがままを言うんじゃありません!」
アゼレアが父親のような口調で断言した
「ウンコに防具は必要ない!」
ウンコは指をくわえながら、純真な眼で言った。
「でも、防具がないとウンコ、
すぐに全裸になっちゃうよ」
「「確かに!」」
ルルナとアゼレアは声をそろえると、
真剣に悩み出した。
ヒャハ、ひっかかった。
すかさず、ウンコは追い打ちをかける。
「全裸になると、チ○コが露わだよ。
18禁だよ。」
さらに、追い打ちをかける
「なのに、この物語。
きっと全年齢向けだよ。だからこのままじゃ……」
そして、トドメだ。
適当な妄想で脅迫する。
「18禁倫理委員会に、
物語ごと世界を潰されちゃうんだよ!」
ふふふ、これがウンコの秘策。
世界そのものを人質にとる、
名付けて、
『世界を滅ぼすか、ウンコに防具を買うか、
究極の選択作戦』だ。
ガルド社長は戦慄の表情で言った。
「18禁倫理委員会……
この宇宙の森羅万象を支配する存在だとか……」
第1章にて、門番に聞いたことなんだけどさ。
『全ての並行世界は、神の紡ぐ物語の中にある』
これがラグナロッカーにおける
世界観の定説である。
だから、ルルナも戦慄の表情で言った。
「神話にて、私も存在だけは知っています。
究極の存在だそうです。
逆らえば、世界が打ち切りになるとか……」
ルルナは悔し涙を出しながら、頭を下げた。
「だから、アゼレア。姫騎士たっての願いです。
この卑劣なウンコに防具を……」
アゼレアは血の涙を流しながら、
「ぐ、ぐぐぐぐぐぐぐぐ……わ、わかった」
と了承した。
ウンコの大勝利である。
時々というか、そこそこ思うんだけど、
この世界の人間って総じて馬鹿だよな。
あ、ズキン以外ね。
「で……、どれが欲しいんだ?
そうだ。これなんかはどうだ?」
さりげなく、
中古のボロボロ鎧(2G)を勧めてくるアゼレア。
ウンコは丁重にお断りすると、言った。
「これがウンコに相応しいと思う」
ウンコは店で1番高い鎧を、指さした。
古代ドワーフの名工。ヘカトンケイル作。
『真銀不滅の鎧』である。
値段は300万G。
売買契約書を片手に、ウンコは神妙に言った。
「アゼレア、世界のためだ」
大粒の涙を流しながら、アゼレアは言った。
「んぐぇぅ……、わ、わかった。うわ~ん」
アゼレアは震えるペン先を
売買契約書に近づけ始めた。
おっしゃあ!
ウンコ完全勝利。
そう思ったんだけどさ。
契約成立寸前に、天井から神の声が轟いたんだ。
「待つんじゃ!」
アゼレアが困ったときの神頼みを始めた。
「神様、助けて!」
「うむ、この不条理な状況、捨て置けん」
鼻くそをほじりながら、ウンコは言った。
「でも、18禁倫理委員会は、神よりも偉いよ」
「ふっ、神をなめるなよ、神には策がある」
そう言うと、神はパンツを召喚した。
超恥ずかしいデザインだった。
『最臭兵器』と股間にプリントされている。
神は自慢げな声で言った。
「ふっ、これは究極のパンツ」
神いわく、このパンツ。
絶対に壊れないんだって。
だけどさ。
防御力は0。
しかも、1度履いたら、絶対に脱げないんだって。
ちなみに、股間のところにスリットは存在しない。
神は声高らかに宣言した。
「これで、ウンコのチ○コを封印する!」
ウンコを除く全員が賛意の声をあげた。
「「「おお、素晴らしいアイデアです!」」」
アゼレアがパンツを持って、
にじり寄りながら迫った。
「さあ、パンツを履け、ウンコ!
世界のためだ!」
「嫌だぁああああああ!」
そう叫んで、逃げ出すウンコ。
だが、店内にいる客と店員の全てが敵だった。
360度方向から、タックルを受けて、
ウンコは拘束される。
「嫌だぁあああ! 放せぇえええ!」
なおも暴れるウンコに、神は優しく言った。
「大丈夫。
パンツの中に
手を突っ込めるようにしてあるから、
シコシコできるぞ」
「それでも嫌だぁあああ!」
ウンコは断固拒絶し続けた。
でもさ。ルルナとアゼレアがさ。
『履かないと、殺し続ける』って脅すからさ。
ウンコは泣きながら、パンツを履きました。
シクシク。
こうして、
ウンコのチ○コは封印されたのです。
シクシク。
ひどくない。
ウンコのチ○コ、
邪神みたいな扱いを受けてる。
人権侵害、不当な差別だ!
抗議する!
誰も味方はいないけどね。




