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第50話 ナイトフィーバー2。

俺はモテ男。


恋愛のエキスパート。

艶技のデパート。


壁ドンだけが、俺の持ち技ではない。


というわけで、おでこツン作戦を実行する。


おでこツンとは、

女の子のおでこをツンと突く行為だ。


ポイントは一つ。

イケメンオーラを発することだ。


イケメンじゃない男に肌を触れられたらさ。


女の子はじんましんになっちゃうからね。


「うぉおおお!」


俺はイケメン力を全開にし、

超イケメン人となった。


全身から、

黄金色のイケメンオーラが迸るような気がする。


超イケメン人はムーンウォークをしながら、

クールに女の子に近くと、


「ふっ!」

とニヒルな笑顔で、ク

ルッとターンしながら、人差し指を繰り出す。


これぞ、必殺。

『ダンシングおでこツン』だ。


当たれば、女は即座に堕ちる。


だが、女の子は回避した。


「なにい?」

俺は少しパニクったが、すぐに平静を取り戻し、


「あたたたたたたたたた!」

おでこツンを北○百裂拳ばりに連打した。


だが、女の子は超絶反応で全回避した。


なぜだぁ?

俺は少しパニクってしまった。


でも、諦めないぞ。

俺は超絶イケメンなんだ!


「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」


なのに、女の子はプロゲーマーのような、

神機動で全回避。


でも負けない。俺様は……


女殺しなんだぁ!


「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!」


俺はウンコの限界を超えてガンバったんだけどさ。


結局、一発も当たらずじまい。


スタミナが尽きて、

荒い息をついているところに、

雑魚2号がやって来た。


「この汚らわしい悪役ウンコめ!」

程なく、超イケメン人は

悪役として成敗されちゃった。


「私、強い人って大好き」

と女の子。

「僕が君を永遠に守るよ」

と雑魚2号(恋愛戦闘力4)。


こうして、女の子と雑魚2号は結ばれた。 


カップル成立2組目。

めでたしめでたし。


じゃねえよ。


この物語の主人公はウンコだからね。

ウンコが幸せになることが、

この物語のハッピーエンドなんだよ。

 

ほとぼりが冷めたころ、

ウンコは再び薬草を6分の1食べて、立ち上がる。


『顎クイ作戦』の開始である。


あごクイとはさ。

キスをする前に、

女の子の顎をクイと持ち上げる行為である。


でもさ。


超イケメン人の俺は、

独自のアレンジを加え、

一風変わった使い方をする。

 

それはこうだ。


まず、女の子の顎を不意打ちでつかむ。


次に、俺の方をクイと向かせる。


結果、女の子は俺の顔を見る。

俺は超イケメンだから、

女の子は即座に恋に堕ちる。


そう、俺は顎クイを、

キスの前座としては使わない。


俺の超絶カッコいい顔面を

見せつけるために使うのだ。

 

この必殺技で、女の子を恋に落とした後。


3年のピュアな付き合いの末、

ウンコと女の子は結婚する。


女の子はせっせと働き、俺はヒモになる。


ウンコは毎日美味しいご飯を食べる。


ハッピーエンド。


ってなる予定だったんだけどね。


顎クイしたら、

女の子は目をつぶっちゃった。


ウンコの顔なんて見たくない。

っていう意思表示なのかな。


違う違う違う。


そんなわけない。


これは、『キスして』っていう合図なんだ。


アイラブユーコールなんだ。


俺は聞いてみた。

「キスしてもいいよね」


女の子は悲鳴をあげた。

「助けてぇええええええ!」


程なく現れた雑魚3号(恋愛戦闘力5)と、

俺は愛をかけて戦った。


俺の愛は海よりも深いのに、

俺は負けた。

ウンコだからね。


薬草を、

ケチらず3分の1食べて立ち上がったウンコ。


HPは満タンだが、

超イケメン人としてのプライドはズタボロだ。


怖い。

女の子が怖い。


けどさ。


逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。


ここで逃げたら、確実にトラウマになるぞ。


女の子を見ただけで、

ゲロ吐くようになっちゃうぞ。


そうならないために、

一刻も早く、女の子をゲットしないと。


マスターボールとかあれば、

一発でゲットできるけど、

ここは異世界ファンタジーだし……


自分の力でゲットしないと……


でも、ウンコの俺がどうやって?


俺は全脳細胞をフル稼働させて、考えた。


導き出した答えは……


やはり、基本の『壁ドン』だった。


俺は緊張のあまり、

挙動不審な動きだったが、

なんとか壁ドンに成功した。


「はあ、げはあ、ぶはあ」


呼吸が荒く汗だくのウンコに、

女の子は心底嫌そうな顔をしている。


俺は吐きそうになったが、

吐き出すのはゲロじゃない。


美しい愛の言葉だ。


俺は、

元いた世界の偉大な名言を拝借することにする。


名作カサブラン○より。

『君の瞳に乾杯』だ。

 

俺は声を振り絞った。

「君のウンコに乾杯」


しまった。

緊張し過ぎて、間違った。


ゲロよりも汚い言葉を吐き出してしまった。


どうしよう? 


ヤバい。俺はマジにパニックになっている。


そ、そうだ。


こんな時こそ、プロポーズだ。


一発逆転の大ばくちだ。

真剣な気持ちは伝わる。

本気の思いは報われる。


物語はそういう風にできている。

あの悲しいラブストーリーの名言に全てを託す。


よし、行くぞ。


「俺は……」


ガンバレ! 俺! 愛を叫ぶんだ!


「君のウンコを食べたい!」


はい、アウトです。


ウンコでもわかります。


いくら、緊張していたとしても、

許される発言ではありません。


女の子は悲鳴をあげました。

たくさんの雑魚が現れて、

ウンコを集団リンチしました。


当然の結果です。

弁解の余地もありません。


でも言わせて。

俺は、こう言うつもりだったんだ。


『君の膵臓を食べたい』


でも、

これってウンコが言っても誤解しかされないよね。


ああ、そうそう。

もう一度言うけど。


良い子のみんな、

ハードリョナにはまっちゃダメだよ。


ダンスホールからたたき出された、

瀕死のウンコ。


でも、

俺は超絶イケメンスーパー色男人だから、

諦めない。


負けるな、ウンコ。


思い出すんだ。


靴箱一杯のラブレターを。


机の上にあふれる、

山盛りのバレンタインチョコレートを。


肉と欲にまみれたあの栄光の日々を。 


うぉおおおおおお!


残りの薬草を全部食べて、

立ち上がると、

俺はダンスホールに再突撃した。


絶対に諦めない。


TO BE CONTINUE AGAIN……


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