第46話 俺みたいになるなよ。
それから少し経つと、少年が戻ってきて言った。
「食えよ」
俺は薬草とパンをもらって、完全回復。
今、俺と少年はさ。
地べたに並んで、体育座りをしている。
少年が言った。
「なあ、お前らって世界中を旅してるのか?」
俺は当然、嘘で答えた。
「ああ、七つの海を渡って、
魔界と天界の全てを踏破した」
「いいな、うらやましいぜ」
少年が、すさんだ瞳を輝かせた。
そう言えば、このグレグレ少年。
なんか、俺と雰囲気が似てるな。
「見てもらいたい人があるんだ」
そう言うと、少年は立ち上がり、歩き出した。
その後を付いていき、再び少年の家の中へ。
少年がカギを開けて、入った奥の部屋。
中には……
下半身が石になった少年の妹が、
ベッドで寝ていた。
少年の話では、
妹は『石像病』という病気だった。
少しずつ、身体が石になる病気らしい。
不治の病で、進行を遅らせる薬は大変高価。
今、少年の家に金はない。
妹の薬代に全て使ってしまったから。
少年と妹は孤児。
なのに、村の人たちの助けは期待できない。
『病気が移るかもしれない』
という理由で、
少年の家は村八分を受けているからだ。
少年はすがるように言った。
「なあ、この石像病を直す方法を知らないか?」
俺は、優しい嘘をつけなかった。
「ごめん、わからない」
「たった1人の家族なんだ……」
少年は涙を流した。
こいつ、不幸だな。
そこが俺と雰囲気が似ているのか。
助けてやりたいな。
でも、俺は無力なウンコだ。
同性愛のレ○プマンだ。
「俺みたいになるなよ」
そう言って、俺は外に出た。
胸くそ悪いな。
石ころを蹴飛ばしながら、俺は歩く。
そこに、プンプン怒ったルルナがやって来た。
「変態のウン公さん、
私たち、あの少年にだまされました」
今頃気づいたか。
「昨日私、
エクスカリバーを頬ずりしてましたからね。
粉々に砕けたなんて嘘八百です」
普通は即座に気づくことだよな。
CMOS電池が空になってるんじゃね。
「やっぱり、私は頭が良いです。
バカで変態なウン公さんとは知性が違うんです」
いや、お前は救いようのないバカだよ。
「で、どうするんだ? これから」
「お金を返してもらいます。そしてお説教します」
「そうか。でもな――」
俺は、少年の置かれた状況を説明した。
「だから頼むよ。
これ以上、少年を追い詰めないでくれ」
ガラにもなく、俺はマジに頭を下げた。
「わかりました」
ルルナは納得してくれた。
「2人の食べ物については私に任せてください。
村の人たちに頼んでみます」
「ありがとう」
そんな言葉が、
ウンコで同性愛のレ○プマンの口から、
自然にこぼれた。
「やっぱり、ウン公さんは優しい人ですね」
ルルナは温かな瞳で、そう言った。
「まさか、俺にホレたか?」
俺は乙女ゲー風のイケメン低音ボイスで、
そう言った。
「ち、ちちちち、違います」
ルルナは顔を真っ赤にして、
首をブンブン振って、両腕をグルグル回した。
「う、ウン公さんの性別はホモウンコです。
男じゃないので、恋愛対象ではないのです」
プッチーン。
なぜか俺、すげえムカついてきたぞ。
「なら俺。お前にキスしてもいいよな?
ホモウンコだし、男じゃないし」
でもあれ、ホモウンコって、
普通の男よりも遥かに格下だよね?
なのにさ。
「そ、それは……」
なぜかそう言って、後ずさるルルナ。
「キスさせてくれなければ、
お前は俺にホレてると断定する」
そう言って、脅迫するウンコ。
あれ? 今の俺って、レ○プマン?
やばい。
死亡フラグが立った気がする。
だが、
死亡フラグをぶっ倒し、奇跡が起こった。
「わ、わかりました。
でも……初めてだから、優しくしてくださいよ」
ラッキー。
何度も死にたいって思ったけど、
生きてて良かった。
本当に良かった。
俺は唇で、ルルナの唇にそっと触れた。
超柔らけえ。プリンプリンしている。
最高、もう死んでもいい。
「ウンコ、お楽しみのようだな」
天から、神の声が聞こえるが無視。
うるせえんだよ。バカ。
俺は、この極上のプリンを味わいつくすんだ。
「またも無視とは。
貴様、神をマジに怒らせたな」
えっ?
「ルルナよ、すまない。この神としたことが……
ウンコの性癖を間違えてしまった。
奴は男だけでなく、女も好きだ。
なので、訂正する」
えっ?
天から薄い本が落ちてきた。
「このウンコの愛蔵書を読め。
奴の真の性癖が書いてある」
神にそう言われ、ルルナが同人誌を開く。
中身は、
なろう系姫騎士の超ハード凌辱ものだった。
タイトルはね。
『異世界に転生したウンコは、
姫騎士をレ○プするのが目的です』
「ルルナ、お前はレ○プされたのだ」と神。
「おのれぇえええ!
神めぇええええええ!」と俺。
「最低! 絶対に許しません!
姫騎士斬鉄グングニル!」とルルナ。
その後のことは省略するね。
理由は残酷な映像だからだよ。
良い子のみんな、
ハードリョナにはまっちゃダメだよ。
以上。




