第44話 最強の防具。
「ウンコ、早くどっか行け」
おばさんにそう言われたけど、
俺は瀕死だから歩けない。
涙をこらえて、
ズキンのくれたペンダントを抱きしめる。
ズキンの温もりをかみしめる。
「うん、まだ俺は生きていける。感謝」
「そうだ。神に感謝しろ」
天から幼女の声が聞こえてきた。
俺は無視した。
稲妻が落ちてきた。
痛かったので、話を聞くことにした。
なんでも、ズキンのペンダント。
神の手によって、改造されたらしい。
なんとさ。
防御力∞。全属性無効。
絶対に壊れないそうだ。
でもさ。
無敵なのは、ペンダントだけなんだよね。
クソ幼女いわく。
装備者は普通に壊れる。
というか、もろくなる。
防御力がゼロになるから。
呪われてて、外すことができない。
ふざけんなよ。
ま、外すつもりはないけどさ。
「感謝するか?」と幼女は言った。
「は、はい」と俺は声を絞り出した。
「なら、あのBL本を返せ」
「へっ? あの腐本をですか?」
「そうだ。コレクションだからな」
「それ、ルルナがリュックごと、
物乞い少年に渡しちゃいましたよ」
「大丈夫だ」
神はそう言うと、物乞い少年の家が、
この村の外れにあると教えてくれた。
「でも俺、瀕死で動けませんよ」
「大丈夫だ」
と言うが早いか、
ルルナがスープ皿を持って、ドアから出てきた。
「スープに薬草が入ってましたよ。
食べてください」
薬草を食べて、俺のHPが回復しちゃった。
ああ、行きたくねえ。
どの面下げてさ。
『すいません。あのBL本を返してください』
と言えばいいんだよ。
でも、神に逆らうと、ひどい目にあうしな。
はあ、行くとするか。
「で、ルルナ。お前はなんで付いてくるんだよ」
「姫騎士道その7、
姫騎士は自分だけイイ思いをしない」
「だから?」
「宿探しを手伝ってあげます」
はあ、困った。
これじゃ、BL本。
盗めねえじゃねえか。




