第43話 優しいおばさん。
瀕死で動けない、俺はさ。
ルルナに背負われて、移動する。
復讐として、俺はさ。
うなされたふりをしながら、
ルルナのおっぱいを揉むことにした。
「はあ、はあ、この邪神め。
握りつぶしてくれる」
その結果。
ルルナに復讐されて、
顔面を握りつぶされちゃった。
俺は大人しく健全に、
オンブされることにした。
ウンコとは違い、ルルナは超良い匂いがする。
肌もスベスベで触り心地が抜群だ。
二の腕とか、弾力があるのに、超柔らけえ。
スリムで筋肉質なのに、
柔らかいってどういうメカニズムなのよ。
翌日の夜中に、村に着いた。
ルルナは手近な民家のドアをノックして言った。
「私は旅の姫騎士。
一晩泊めて頂けないでしょうか?」
ドアが開き、おばさんが出てきた。
「職証を見せてください」
すんごく優しそうな声だった。
ルルナは職証を見せると、
ウンコを地面に降ろして、
民家の中に入っていった。
「貴方も職証を見せてください」
と、おばさんに聞かれたので、
瀕死の俺は、息も絶え絶えに答えた。
「わ、我は聖騎士アーサー。
わ、訳あって、職証は燃えた」
おばさんが小首を傾げて俺を見た。
まあ、仕方がない。
俺の服はさ。
邪剣ウンコブレードの時に、
炎の魔法剣になったから、
上半身焼失して、ズボンだけ。
正直、物乞いよりもみすぼらしい。
『だから、お慈悲を』
俺は視線で、そう訴えてみた。
おばさんは、すごく善い人だった。
俺は、すごく臭いのに、悩んでくれたんだ。
散々悩んだ結果として、おばさんは言った。
「わかりました。お泊まりください」
おっしゃ、屋根のある部屋で眠れる。
しかも、ご飯と薬草もくれるんだって。
なのに、ルルナのバカがさ。
「あ、その人の職業はウンコです」
窓から顔を出して、
そうカミングアウトしやがった。
バタンと、ドアが閉じた。
俺は忘れない。
いや、一生忘れられない。
おばさんが。あの聖母の如き、優しい人が……
汚物を見るような瞳で、俺を見たんだ。
やっぱ、この世界。
ズキン以外、全員クズだわ。
あとさ、俺は昔。
『ウンコにあらずんば人にあらず』
そう言ったけどさ、現実はこうだからね。
『ウンコは人にあらず』




