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第29話 ウンコ、最後に意地を見せる。

「さようなら、優しいウンコさん」

 そう言って、ルルナは去っていった。

 

 それから、腹時計で約15分後。

「やっぱり戻ってきちゃいました。私は戦います!」

 ルルナは本当に良いヤツだな。

 

 でもバカだ。


「お前が死んだら、ズキンはどうなる? すぐ次の生け贄に選ばれて、死ぬんだぞ」

「でも……」

「でもじゃない。行ってくれ、頼む、ズキンを頼む」


「わかりました」

 そう言って、ルルナは再び去っていった。

 

 今度は戻ってこなかった。

 ありがとう、ルルナ。

 お前は、ウンコの俺を心配して、村に探しに来てくれた。

 お前がいなかったら、村長の家にも入れなかった。

 

 でもさ。

 

 お前を説得するのは、本当に骨が折れたよ。

 俺が生け贄の身代わりを申し出ると、

「ラッキー!」

 と村長は即座にガッツポーズしたのにさ。

 

 お前は顔を真っ赤にして、こう言うんだもんな。

「そんなことは絶対に認めません!」


「私が生け贄になります!」

 しまいには、そう言い出す始末でさ。

 

 結局、ジャンケンで決めたんだよな。

 姫騎士道その206。姫騎士はジャンケンの結果に絶対に従う。

 

 本当に覚えておいてよかった。

 ルルナ、もし俺がウンコ以外に生まれ変わって……。

 

 また巡り会えたのなら……。

 お前を彼女にしてやるよ。


 俺を食べる魔王ケルベロスは、巨大な狼男らしい。

 魔王というのは亜人の王。

 亜人というのは、動物の顔をした人間。

 

 これからさ。

 魔王は部下の狼魔族たち(ルルナいわく約3万人)と共に、ここで宴会を開く。


 俺は魔王のメインディッシュ。

 珍味と言ってもいいだろう。

 

 魔王の大好物は、人間の樽包みらしい。

 俺という人間(だけど、職業はウンコ)が詰まった樽には、

『あのカレー屋』のスパイスがたっぷり塗り込んである。

 

 徹夜で、村と王都を往復してくれたルルナに感謝。

 カレーとウンコは相性がいい。

 だから、きっと大丈夫。


 腹時計で約1時間後。

 大草原のど真ん中にて、宴会が始まった。

 

 樽に空けられた空気穴を通して、俺はその様子を見た。

 魔王は、小城のように巨大だった。

 

 怖い。怖い。怖いよ。

 

 意外にも、俺は前菜だった。

 魔王ケルベロスは、好きな食べ物は最初に食べる主義なのかもしれない。

 ウンコ(俺)を詰めた樽が持ち上げられて、巨大な口へと運ばれていく。

 

 怖い。怖い。怖いんだ。

 

 でもさ。


 恐怖に負けちゃダメだ。

 正気を失った瞬間に、人生は終わるのだ。

 

 俺は最後の最後まで生き抜く。

 

 樽が、魔王の口の中に入った。

 かみ砕かれる寸前に、俺は樽から脱出した。

 

 巨大な舌の上を滑り落ちながら、俺はさ。

 

 2つのウンコを召喚して、絶叫しながら、投げた。

「ウンコを、無礼るなぁあああ!」

 

 口と鼻はつながっている。

 魔王の鼻孔の最奥に、それぞれウンコをぶつけることに、俺は成功した。

 

 鼻の奥についた米粒は、なかなか取れない。

 地獄の苦しみを味わうがいい!


「ヒャバババババババババババババババババババババ!」

 俺は高笑いしながら、魔王の胃の中へ吸い込まれていった。



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