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第12話 ウンコ、職を探す。

 ウンコのままでは、風呂にも入れないようだ。

 俺は職を探すことにした。

 門番筋の情報では、職は職業案内所に行けば、見つかるらしい。

 

 職業案内所に入った俺はさ。

 カウンターの男性職員に頭を下げて、言った。

「職を探しています。どんなことだってやります。お願いします」

 

 職証だって、素直に見せたんだ。

 

 なのにさ。

 

 この男性職員は、やる気がないタイプの役人みたいでさ。

 接客態度が失礼なんだ。

 ウンコの俺を、バカにした口調でしゃべるんだ。

 そんなに役人が偉いのかよ。


 俺の知っている日本の公務員さんはな。

 とっても、とっても、善い人でな。

 親に育児放棄されていた俺は何度も何度も生命を救ってもらったんだ。

 

 あの人がいなかったら、とっくの昔に俺は野垂れ死んでいた。

 公務員さんは弱者の味方なんだよ。

 そうあるべきなんだよ!

 

 俺は、求人情報掲示板に案内された。

「ありがとうございます、役人様」

 俺はバカ丁寧に、そう言った。

 

 なのにさ。

 

 クソ役人の奴は、偉そうに言った。

「あ、掲示板には絶対に触らないでね。掃除するの面倒だから」


「えっ? なんで?」

「お宅、ウンコでしょ? 汚いでしょ? ウンコはそんなこともわからないの?」


『クソ役人、ぶっ殺す!』

 と思ったけど、俺は後がないからさ。

「はい、わかりました」

 100点満点のスマイルで、そう言ったよ。

 幼稚園の花子先生、ほめてくれるかな?

 

 まあ、いいや。

 

 俺は、掲示板に貼られた求人を見た。

 あ、これいいな。

 

 株式会社 メイシー雑貨店 王都本店

 職種   店舗スタッフ

 仕事内容 接客・品だし・商品陳列

 給与   時給5G(昇給あり)

 勤務時間 午前6時から午後3時まで(実働8h)

 資格   年齢不問 性別不問 住所不問 職業不問。

 

 うん。

 これ最高だよな。

 特に『職業不問』ってところがね。 


 でもさ。

 

 一番下にでっかく赤文字で、こう書いてあるんだ。

 ※ただし、ウンコはお断り※

 

 仕方がないから、他の求人ポスターを見てみた。

 もっとひどいことが書いてあった。

 紹介するね。

 

 ※ただ働きでも、ウンコはお断り※

 ※補助金もらっても、ウンコはお断り※

 

 ※ただし、ウコンに生まれ変わったら、OK※

 ※ただただ思う、ウンコ死ね※

 

 ※おい、ウンコ。面接来たら、殺すからな※

 ※ウンコ様、次の機会(来世)にお待ちしております※

 

 でも、1枚だけさ。

『ウンコに関する記述』がないものがあった。

 

 建設業だった。

 俺はクソ役人に、


「これの面接を受けたいんですが」

 と言ったら、紙を1枚もらった。

 

 面接会場の地図かな?

 とりあえず、俺は読んでみた。


『ウン公様。

 株式会社ドケンのドワゾーと申します。

 本日は、当社の社員採用試験にご応募頂き、ありがとうございました。

 厳正なる選考の結果。

 誠に残念ではございますが、今回は採用を見合わせて頂くことになりました。

 ご希望に添うことができず、恐縮です。

 ですが、なにとぞご了承くださいますよう、お願い申し上げます。

 多数の企業の中から、当社に応募いただきましたこと。

 心から感謝すると共に、ウン公様の、より一層のご活躍をお祈り申し上げます』

 

 ……へっ? 

 俺はまだ何もしていないのに。

 厳正な選考って、いつしたんだよ?

 クソ野郎! 

 


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