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第10話 ウンコ、パン屋に行く。

 宿屋は全滅だった。

 もう、夕暮れである。

 腹減ったな。

 

 俺は食料品街に向かった。

『パンダぷる』というパン屋に入る。

 

 菓子パンの甘い匂いとさ。

 かわいらしい制服を着た女のカワイイの、

「いらっしゃいませ」が俺を出迎えてくれた。

 

 注文の仕方は、俺の知っているパン屋と同じだ。

 トレイとトングを使って、食べたいパンを取って、会計に運ぶ。

 だが、俺は汚らわしいウンコだ。

 

 なので、俺はさ。

 

 トレイもトングも使わず、素手であんパンをつまんで、会計に運んだ。

 これで、トレイもトングも買い換える必要はない。

 

 俺はマナーを守るウンコなのだ。

 俺が目の前に立つと、女のたぶんアルバイトは言った。


「職証を見せていただけますか?」

 当然のように、俺は答えた。

「なくした」

「職証の提示がないと、どこのお店でも買い物はできませんよ」

 

 仕方がないので、俺は職証を渡した。

 女の子は急に怯え始めた。


「あんパン1個、1Gだよね」

 俺は優しく、そう言った。

 

 でも、女の子は無言。

 ガチで震えている。

 

 周囲の客の視線、俺を滅多刺し。

「衛兵に通報しましょうか?」

 

 客の1人(優男)がそう言った。

 俺はウンコを突きつけて、その優男を黙らせた。

 そしたら、女の子は泣き出しそうになっちゃった。

 

 一応言っとくけどさ……。

 ラブコメならハーレムを作れるほどのさ。

 俺は超アイドル級のイケメンなんだよ。

 

 ゼロになってしまった好感度を上げるため、俺は考えた。

 確か人間はさ。

 自分と共通点を持つ相手に対して、好意を持ちやすい。

 

 よし。 

 

 俺は言った。

「パンとベンって似てるよね」


 女の子がつぶやいた。

「パ……」

 

 よっしゃ。しゃべった。

 しかも、少し顔が赤い。

 好感度アップだ。

 

 俺は言った。

「パンもベンも発酵してるよね」

 

 女の子がつぶやいた。

「パン……」

 よっしゃ。1文字増えた。

 しかも、顔がさらに赤くなった。

 好感度アップだ。

 

 俺はウンコを召喚して、言った。

「この巻きグソとあのチョココロネ、そっくりだよね」

 

 女の子が叫んだ。

「パンをバカにしないでぇえええ!」


 ビッターン!

 

 俺、カワイイ女の子にビンタされちゃった。

 もう泣きたい。

 

 で、泣いた。女の子がね。

 

 俺をビンタした右手を見ながら、女の子は言った。

「汚れちゃった。もうお嫁にいけない」


「大丈夫」

 そう言って、クソ優男がしゃしゃり出てきた。

 

 クソ優男は両手で、女の子の右手を優しく包みながら、言った。

「どんなに汚れていても、僕は君を愛している」

 

 女の子は目ん玉をハートにして、答えた。

「私も貴方を愛しています」

 

 抱き合った2人。

 ハッピーエンディング。

 

 衛兵に通報された俺。

 バッドエンディング。

 

 もう嫌だぁあああ!




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