ムーブメント!
どうしようもなく書きたくなって。
ソースは、脳内に突然再生された『ムーブメント!』という名の見知らぬ曲です。
遠い星が流した最後の涙
流れ星になってこの星へ落ちた
見えない雫となって
坂の多い町へ落ちた
一点から広がっていく
見えない思いは
ドームとなって
高く 高く 広がり
塗りたての壁を越え
窓を震わして
洗濯物を畳む主婦を
ずる休みしていた少年を
はっと気付かせる
オフィス街へ届き
コンクリートの分厚さを越え
二重ガラスの奥へと広がり
苦々しい中年を
諦めそうな新入社員を
足の痛いOLを
はっと気付かせる
天気は上々
坂道はどこまでも下る
一気呵成に駈け下りていく
連なる色とりどりの自転車の群れには
エプロンを捨てた主婦が
ゲーム機を置いた少年が
スーツを脱いだ中年が
弾けて笑う新入社員が
裸足になったOLが
騎乗する!
ムーブメント!
向かい風は強くなるばかり!
ムーブメント!
連続する軽やかな車輪 しゃりん シャリン……
ムーブメント!
何処までも続く落下する列!
ムーブメント!
加速! 加速! そのエネルギーで昇れ!
ムーブメント!
熱く上昇する鼓動! もっと! もっと!
ムーブメント!
そのままで! そのままで!
ムーブメント!
輝く球体へ飛び込め!