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アストラ学院の水魔法使い  作者: ゆきんこ
第1章-期待と門出-
9/22

2度目のテレポート

「ネ………マリーネ!!」


「はいっ!」


誰かによばれて、反射的に返事をする。


「は、はいって…マリーネ面白すぎ!」


アハハハハ! とお腹を抱えて笑い出すのは…


「ベルーっ!」


そう、ベルだった。…もう。


「昨日はあんなにグーグー寝てたくせに」


そう言えば、ベルは「昨日は昨日よ!」なんてムキになる。…ベルの方がよっぽど面白い。


「まあいいや。起こしてくれてありがとね、ベル」


お礼を言うと、


「いーえ!」


と明るく笑った。




「おはようございます!」


2人揃ってしたに降りていくと、そこには見慣れない女の人がいた。


「あら、おはよう。今日はいよいよ出発ね〜」


「あ、そっか…もうこんな時期なのね。母さん」


ふー、と息を吐くその人は、マリモアさんにとても似ている。…もしかして。


「マリモアさん、娘さん?」


ベルも同じことを思ったらしい。私より早くマリモアさんに尋ねていた。


「ええ、そうよ。こちらは娘のミント」


「貴女たちが今年のルーナね。私はミント・マリモアよ。母さんから聞いてるかもしれないけど、アストラ学院の卒業生なの。貴女たちの先生であるクリストンは、私の先輩よ」


やっぱり。この人がマリモアさん…もといハーブさんの娘さんだった。


「マリーネ・インディーコと申します。よろしくお願いします」


「ベル・モルーガです! ミントさんよろしくお願いします」


「ていうか、私も母さんも“マリモア”だし、名前で呼んだら? ね、母さん」


ミントさんが提案する。


「そうね。私の事はハーブと読んで頂戴」


「わかりました!」

「はい!」


たしかにその方がわかりやすい。


「では、ご飯にしましょうか。たくさん食べておかないとね」


「結構馬車乗るからねえ…」




ミントさんはとっても気さくな方で、ご飯中も楽しく食事ができた。

そして、出発の時間。


「2人とも、制服似合ってるね! ま、ダボッとしてるのは1年そこらでちゃんとなるから、心配しなくていいと思うよ」


アストラ学院の制服は、グレーのベストとスカート、クリーム色のシャツ、リボンタイだ。ちなみに、リボンタイの色は学年で違う。私たちの代は空色のリボンタイだ。あと、校章の色は1、2年生が銅で3、4年生が銀、5、6年生が金らしい。校章と、あと“とんがり帽子“も向こうでもらうとか。

そして、そこに黒いローブを羽織る。


_あれ、そういえば…


「あの、どうやって学院まで行くんでしたっけ」


「あー、商店街からテレポートでマナの森までとんで、そっから馬車に乗るの」


「中々メルヘンチックですね…」


そういえば、さっきミントさんがサラッと”結構馬車乗るからねえ…”とか仰っていたような。


「では、マナの森まで飛びますよ。掴まっていてくださいね」


ことの成り行きを黙って見守っていたクリストンさんが言う。


「気をつけてね!」


「頑張るんだよー」


ハーブさん、ミントさんのお見送りの声を聞きながら、2度目のテレポートを待つ。


「メタフォーラ、マナの森!」


来た。あの、独特の浮遊感が。2度目だから、少しはマシかな。


そんなことを思っているうちに、土の匂いがしてきた。


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