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アストラ学院の水魔法使い  作者: ゆきんこ
第1章-期待と門出-
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クリストンと先生

ドンッ、タッ、2つの音がレトロな宿に響く。無論、前者の情けない音は私のものだ。


「クリストン…その子、新入生かしら?」


雰囲気の上品な女性が、クリストンさんに話しかけた。…この人が、マリモアさんかな。


「ええ、こちらはミス・インディーコ。…マリーネ、彼女はマダム・マリモアです」


「マリーネ・インディーコと申します…」


テレポート?で少し気分が悪くなったのを必死に我慢していたからか、語尾が少しだけ弱くなってしまった。


「宜しくね、マリーネ。それにしてもこの魔力…彼女、ルーナね?」


「さすがハーブ先生。そのとおりです」


…ん? “先生” ?


「あの、先生って………」


「ああ、君には話しそこねていました。実はマダム・マリモアは私が学院時代にお世話になった先生なのです」


「ええ。薬学の教師をしていたのよ。今は結婚して離任しましたけどねえ」


先生だったのか…マリモアさんって。しかもクリストンさん学院の生徒だったんだ。何気なく話してたけれど、私は初耳だ。


「娘も学院の元生徒でね。今は学院で母の私と同じ薬学の教師をしたいって猛勉強中よ」


「ミントももうそんな歳ですか」


「確かあなたの5つしただったわよね」


「そうです。1年だけ生徒と先生として学年がかぶりました」


娘さん_ミントさんはクリストンさんの後輩………? なんだか、私そっちのけでお話が続いているような。おばあちゃんもたまにこういう所あったんだよね…。マリモアさんは見たところ、おばあちゃんより少し若そうだけど。50代くらいかな。


「あの、私はどうすれば…?」


私が声を発すると、マリモアさんとクリストンさんは「あっ」と同時に声を発した。


「すみませんね、マリーネ」


「あら、ごめんなさい。話しすぎましたわ」


「いえ…」


やっぱり気づいてなかったのか…まあ、いいけれど。


「そうね、夕食まで時間があるし疲れているだろうから…部屋で休むといいわ。先に来たお嬢さんと相部屋ですけど、宜しいかしら」


「君と同い年の“ルーナ”です。彼女にはもう、貴女のことは話してあります」


同い年の女の子か…! しかも私と同じだ。


「もちろんです」


「では、付いてきてください。案内します」


トランクを持ち直し、私はクリストンさんに続いた。

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