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アストラ学院の水魔法使い  作者: ゆきんこ
第1章-期待と門出-
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呪文学の教師

クリストンさんに準備をするように言われて、私は2階に上がってきた。


「たしか、おばあちゃんが使っていたものがあったはず…あった!」


茶色の、すこし古いトランク。おばあちゃんが言ってたっけ。”マリーネが遠出するようなことがあったら使いなさい”って…


そう言えばおばあちゃん、水の精霊が何とかって言ってたな…もしかして、私が魔法使いってこと知ってたのかな………?


「まさか、ね…」


それよりも、早く荷物詰めなきゃ。クリストンさんが待ってる。


「本と、着替えは…2着かな。羽織ものがあればいいやあと、それから…」


ポシェット(こちらは新品で、茶色だ)に身だしなみを整えるものと、袋に入れたキャンディ、筆記用具を詰めて、………うん、大丈夫な、はず。




「クリストンさん! 準備できました」


下に降りると、クリストンさんは先ほどのフクロウともう一羽、


違うフクロウに手紙を託して飛ばしていたところだった。


「本当に魔法使いってフクロウ使うんですね。本で読んだことしかなかったです」


「へえ、人間の本にはそんなことが書いてあるんですね。…君も向こうに行けば慣れますよ。嫌というほど使いますから」


嫌になるほどフクロウ使うのか、魔法使いは…と思ったが、あえて突っ込まないでおいた。


「ああ、ちょうど今からここの古書を学院に魔法で転送する所でした。見ますか?」


「是非!」


魔法使いが魔法使うところ、初めて見る!…当たり前だけれども。


「エラ!古書よ来い!」


古書がそこらじゅうから飛んできた。私のトランクの中の本は、動かなかった。…これが魔法のコントロールか。

そこからは、早かった。小声でクリストンさんがブツブツ呟くと本は縛られてまとめられ、宙に浮いて、フッと一瞬で消えてしまった。


「き、消えた…!」


「魔法の呪文は、最初は呪文を唱えないと難しいのですが…そのうち無言呪文もできるようになります」


ちなみに、私は呪文学の教師なのですよ、とクリストンさん。どうりでひとつひとつの動作が滑らかで無駄がないわけだ。


「では、私たちもテレポートしますよ。しっかり捕まっていてくださいね、振り落とされたらおしまいですから」


私が悲鳴を上げるよりも早く、


「メタフォーラ、マダム・マリモアの宿!」


という声がした。


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