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アストラ学院の水魔法使い  作者: ゆきんこ
第2章-王立アストラ学院-
19/22

初授業-箒の呼び出し方・2-

皆が箒を呼び出せるようになった頃、コネリー先生が手を叩いた。


「じゃあ、次は実際に乗って見るぞー」


皆が先生に注目すると、先生は箒の柄の先でコン、と地面を軽く突く。すると、箒が腰の位置くらいまで横向きで地面に平行に浮かんだ。先生がまたがって今度は足で地面を蹴ると、そのまま箒は先生を乗せて空を飛んだのだ!!


「うおっ」


箒は私たちの方へ前進、トムの真上を通過した。…そして、再びUターンしてこちらへ戻ってくる。


「ひっ」


今度はベルの頭上を通過した。


「はいじゃあやってみろ。但し、今回はちと危ないから寮ごとに整列! 右からコルヴィス、パヴォ、アクイラ、キグヌス。初めはコルヴィスとパヴォなー」


キグヌスは1番左だから、コルヴィスの人は良く見えない。…ただ、あの感じの悪い3人組だけはすぐに分かった。


「ねえ、マリーネ、あのど真ん中で一番高く飛んでるの」


ベルが、意味ありげに肩を寄せて話す。


「うん…リプソンだね。横にいるのはその取り巻きのファネルにグレーバーズ」


「ほんっと目立ちたがり屋だな、アイツら」


冷めた口調でそう呟くのは、トム。そんな私たちに、フランク姉弟は不思議そうな顔をした。…ただ、ジャスパーはとっさに何があったか理解したらしく。


「リプソン…アリッサ、だっけ? それと、リプソン家の分家の娘か。絡まれたんだろ?」


「ジャスパーも知ってるの? あの3人」


そうたずねると、案の定肯定の返事が帰ってくる。…その表情は、何だか嫌なものでも思い出したかのようなものだったけれど。


「リプソン? 何か…感じ悪そうなコルヴィスの人?」


ロビンの問いに、トムが頷く。やっぱり、感じ悪そうと思ったのは私だけじゃなかったんだ。


「ああ…いたわねそんな人。あと、ファネルとグレーバーズだっけ? 取り巻き的なの」


「そうそう!! あの子たちマリーネにいちゃもんつけてきて!!」


何だか怒りが再燃したらしきベルを私とロビンで宥めていると、キグヌスとアクイラの番になった。


「はい、キグヌスとアクイラ!」


コン、と軽く突き、上がったらまたがる。…そして、大地を蹴る!!


ひゅんっ、と耳の側を風が駆け抜ける。それと同時に感じたのは、ふわりとした浮遊感。_不思議と、初めての感覚はなく…ずっと前にも、こうして大地を蹴って、空の彼方まで、遠く、遠く、飛んでいたような_そんな気がした。


「マリーネ、本当に初めてなの?」


ベルの驚いたような声。目を真ん丸くして、「あたしは乗れるまでだいぶかかったのに!」と、悔しそうな顔をする。


「確かに上手いな! 兄貴が見たらビックリするぞ」


トムもベルと同じような顔と声色でそんなことを言う。


「ありがとう。でも、私本当に初めてだよ?」


さすが魔法使いの子、ベル、トム、ジャスパーはもう乗りこなしていた。ロビンもふわふわと旋回し、割と慣れている様子。


一方、ハンナはというと…


「ハンナ〜大丈夫?」


「…これが大丈夫に見えるの?」


ロビンに若干キレていた…。


「意外だな、ハンナ」


「ハンナ器用そうなのにね?」


「まあ、弱点くらい誰にでもあるだろ」


「うん、それはそうだけど…」


そんなやり取りをしている内に授業は終わり、休み時間に練習出来るからな〜、という先生のお知らせとともに初授業は終了したのだった。

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