ひかりたちのだいたいいつもの学園生活(後編)
短いです
カンカンカン
弁当を食べ終わり、階段を下りていく。
生徒会室に入り、書類にめを通す。生徒会がする仕事の書類ではないようだ。
「はぁ。めんどくさ」
「はいはい、何回も聞いたよ」
ゆいから紅茶を受け取る。
「あーあ、紅茶ぶっかけたい」
「紅茶がもったいないでしょ」
「紅茶が?書類がダメになるとかじゃなくて?」
「ダメにしたいんだったらやぶりなさい」
「ダメにするのはいいんだ」
「そのかわり、怒られても知らないから」
ゆいも自分の仕事に取り掛かる。
「はーい」
めんどくさいなぁ。
「めんどくさい、めんどくさいいいつつもちゃんとやりきるんだもんな」
ひかるが生徒会の仕事をやりながら言う。
「いいよね、ひかるは。ちゃんとした生徒会の仕事・・・」
言葉を途中で切って、窓の外に目をやる。
「最近多いから仕事よりめんどくさいよ」
近くにおいてあった剣を取る。
「同意」
ひかるも剣を取り、窓から出る。生徒会室のある時計塔の一番上はかなりの高さだ。普通の人ならば死ぬ高さなのだが。
空中で何回か回転し、ひらりと危なげなく着地する。
ひかりもそれを追う。
「ゆいたちは授業してていいよー」
「これぐらい何とかなるしな」
「りょーかーい」
ひかりと、ひかる以外の生徒会員は窓から出していた首をひっこめて、自分達の教室へ向かう。
「さて、と」
「蹴散らしますか」
モンスターの群れに飛び込んだ。
「はぁ、なんで西の那にしかモンスターいないんだろう」
頬にできた小さな血筋に重ねて絆創膏をはる。
「昔、魔術師がモンスターを倒せる奴がたくさんいる西の那にモンスターを閉じ込めるため、結界を張った。って言ってなかったっけ?」
「ついでに言うと、モンスターの住む魔界とこっちの世界とをつなぐ道が西の那にあったから。でもあるんだよね」
「今はそんなにいねぇのにな。迷惑な話だぜ」
ひかりは、うなずいてから仕事の続きを始める。
ひかるはのんびり、空をみていた。
放課後。
「おーい。しごと済んだー?」
ゆりがひょっこり顔をだして聞いてきた。
「全然。あのくそジジィやってる途中にもう一回おくりつけてきやがった」
ひかりが答える。
「はいはい。手伝うから。やっぱり生徒会長様はお忙しそうだねー」
ひかりの手近にある書類の束を半分とってやり始める。
「ひかり、これ」
「ここに重ねといて」
書類の山に重ねる。
「はぁ~。終わらないよー」
右手と左手を器用に使い、仕事をこなしていく。
「はは」
苦笑いしながら、黙々と作業する。
途中からゆきとゆいが加わり、日がくれ落ちそうになった頃。
「おわったぁ~!!」
うんとのびをしてから紅茶を一口のむ。
「じゃ、帰ろっか」
かばんを手に立ち上がるゆき。
「あ、先帰ってて。ちょっと、用事があるから」
ひかりが紅茶のカップ片手にたちあがる。
「わかった。じゃ、また明日」
「また明日」
ゆきたちを見送り、ひかりは書類に手を伸ばす。
「えっと、これが今日までだからいまからジジィにわたしに行かなきゃで、これもあしたまでだからわたしとくかなー」
書類とかばんを取って、生徒会室から出る。のんびり歩きながら理事長のもとへ向かった。
「おーい。ジジィー」
理事長室をノックせずに思いっきりあける。
「理事長と呼べ。なんじゃ?」
「人に仕事押し付けといてよくそんなことがいえるねー。はい。終わった分」
仕事の書類を理事長に渡す。
「おぉ、ありがとうな」
「じゃ、あたしはかえります」
理事長室の扉を全開にして帰っていく。
家に着き、部屋でのんびりする。
コンコン
「はいー?」
「ごはんできたわよ?」
ひかりの母がよびに来たのだ。
「わかったー。今行くー」
(今日も今日とて、疲れたな・・・。早くねようっと)
そんなことを思いながら階段を下りていった。