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俺と、彼女の誘拐
キーンコーンカーンコーン
「じゃな」
俺は友達と別れて自分の教室に入る。ひかりはやっぱりいない。
「きりーつ、きおつけー、れーい」
『お願いしまーす』
(ゆい、ひかりは?)
(近くの公園で寝てるって)
はぁ、あいつ自分の立場分かってんのか?
四十分後
「きりーつ、きおつけー、れーい」
『ありがとうございましたー』
あー、終わった終わった。次は算数だからとっとと撤退しようかね。
「ひかるー」
「ん?」
「ひかりの姿が見えないの。また、誘拐かな?」
ゆいが、心配そうに顔を曇らせる。
「別に大丈夫じゃね?俺なんともねーし」
「そういえば、ひかりが危険なときはだいたいひかるが分かるもんね」
「だいたいじゃなくて絶対な」
これは事実だ。
「ま、毎回返り討ちにしてるし」
「それもそうね」
放課後
「あ、ひかり」
「あ、ひかる」
「きょう、さんすうでてなかったな」
「誘拐されてたの」
「あっそ。ゆいが少し心配してたぞ」
「ゆいの心配性はいつものことだし」
『大丈夫』
「帰るか」
「うん」
今日はこれで終わり。
大分短かったですね。