0.プロローグ
「ここが最終課題の場所?」
三人の青少年たちは入口の看板を見ていた。
初めに発言したのは真ん中の茶髪の人物だった。
「そうみたいだな。自分たちが認められるかどうか、それがここにかかってる」
黒いフードつきのマントを着た少年は深刻そうにつぶやいた。
「なーに、二人とも深く考えすぎだって。セイちゃんみたいにさーリラックスしようよ」
おどけた口調で言っているのは赤い髪をした少年だった。
「それじゃあ道も三つに分かれていることだし、セイ達も別れようか」
これからはライバルでしょ? なんて少しだけ声色を変えてセイは言った。
「そうだな、自分は右に行く。セイはどうせ左だろ、怜音お前は真ん中で平気か?」
フードの少年が怜音へ確認を取った。
「僕はかまわないよ。みんな少しの間お別れだけど、お互いに頑張ろうね」
そう言って三人はそれぞれの道へ歩き出した。
怜音は一度戻って看板の下の地図を一部もらい広げた。
「信神町かー、なんていうかぴったりな地名だけど……ここに暮らす人は不審に思わないのかな?」
ゆっくりと登りながら怜音はふと思った。
怜音はこのままとある神社へと向かって行った。
そこには怜音にとってかけがえのない人物との出会いがあった。
プロローグに主人公が登場しなかった件。ごめんなさい。