第62話 決起
プリセラ「では…わたくしがお話しいたしますわ」
アス「じゃあよろしく頼むな…」
プリセラ「この城であるぴっちりキャッスルの二人目の不在者の名は…ナモ」
モエ「ナモさん…」
シズク「ナモ…」
プリセラ「黒色のぴっちりスーツを着ておりましたわ。ええ…それはもう……とても整った顔立ちの美女でしたの」
ハク「おい美女って…」
シズク「黒色……」
モエ「ねぇその方は…この城で何を担当していたの?」
プリセラ「何って…バーの担当でしたわ」
オレジ「バー…ね」
ハク「2階にバーがあるのは、知っての通りだな。だが……店主不在のままだ」
シズク「やっぱり、そうだったんですね…バーがあるのに…店主不在ですもの…」
ハク「まあ…実をいうとナモはな……コーヒー修行に出てるんだ…」
オレジ「……コーヒー修行?」
ハク「ああ…豆の焙煎から抽出まで…とことん拘るタイプでな。気づいたら『究極の一杯を求めて旅に出る』って置き手紙だけ残して消えてた」
モエ「ねぇ連絡も…つかないの?」
ハク「まったくな…だが、まあ……そのうち、ふらっと帰ってくるだろ…」
プリセラ「ええ…ナモはそういう方ですもの。気まぐれで、自由で…は…いも……ですが、帰る場所は必ず覚えておりますわ」
ハク「おい…」
その会話を聞きながらモエは不思議と黙り込んでいた…
モエ「…(不思議よね…あの遺跡の壁画の後半…金色に銀色と黒色…はっきりと覚えているわ…三色のぴっちりスーツ…ただの幻覚だったとしても…随分と目立つような構図だわ…金色はプリセラ…銀色はルシア…黒色はナモ…これって…ただの偶然…?でも偶然にしては…出来すぎてる…あの壁画は…本当に…欲望だけを映していたのかしら…?)」
ハク「あと明日、ルヴィン砂漠の草原化を行う」
アス「ほう…」
オレジ「……決まったんだね」
ハク「ああ…」
モエ「力になって見せますから…」
ハク「ああ頼りにしてる」
プリセラ「おーほっほっほ……なるほどなるほどですわ」
ハク「な…何だよプリセラ」
プリセラ「いいえ、なんでもありませんの」
ハク「…はぁ…」
プリセラ「ただ…砂漠を草原へ変える日が来るとは…あの頃のわたくし達には、想像もできませんでしたもの」
アス「確かにな。あの頃は、生き残るので精一杯だった」
シズク「…(モエさん……本当に、変わりましたね…真実の強さに…)」
神器を得たことだけではない…彼女の中で、何かが目覚めつつある…
モエ自身も…それを自覚しているようだ…
モエ「…(明日……ルヴィン砂漠で)」
かつてそこは灼熱と死しかなかった場所…
いつの日か…人はその地に住まい生活する…
敵に襲われ壊滅するも…不死鳥のようによみがえり…
今度はそこを…緑に変える戦いが始まる。
プリセラ「草原化とは……土地だけでなく…人の運命も変えてしまいますのよ」
ハク「ああ…だからこそ…やる!!」




