表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/61

第56話 安らぎレイク

旋風の丘を南に進むとそこは…安らぎレイクだ…

~安らぎレイク~

安やぎレイクの水面は…名の通り静かだった…

風も穏やかで…旋風の丘の荒々しい風が嘘のように消えている…

まあそれもそうだ…場所別だし

そんな安らぎレイクの湖畔を歩きながら…ハクはふと足を止めた

ハク「……なあシズク」

シズク「…はい?」

水色のぴっちりスーツを輝かせながらシズクが振り返る。

ハク「あのな…さっきのジュベのことだ…モエに言うべきかどうか…正直迷ってる」

安らぎレイクの湖を見つめたまま…ハクは低く呟いた…

あの黄緑色のツインテール…

光彩異色症(オッドアイ)の瞳…

突然のキス…

どれもこれもモエに無関係とは全く思えない…

シズクは少し考え込むように…顎に指を当てて…考える

シズク「うーん……」

そして…困ったように微笑んだ…

シズク「どちらが正解なんでしょうね」

ハク「まあ…だよな…それに下手に言えばモエを不安にさせるし…モエに黙ってれば後で面倒なことになるかもしれない…」

少し沈黙の後…ハクは考えを述べた…

ハク「……今は黙っておいた方がいいかもな…少なくとも正体も目的も分からねえと来たものだ…」

シズク「それが無難かもしれませんね…(それにあの娘キス…しましたね…)」

シズクが前方を指差して話題にしてみた…

シズク「確か……この先がサンブ城ですよね?」

ハク「ああそうだな」

ハクも視線を上げた…安らぎレイクを抜けた先…

遠くに見えるサンブ城壁の輪郭がうつる…

ハク「サンブ城だけじゃなくて…その手前にちゃんとサンブ城城下街もある」

シズクはその言葉を聞いた瞬間に

シズク「城下街……!!」

シズクの目が興味深そうに輝く…

シズクの目が、きらりと光った。

シズク「市場とか…商店とか屋台とか……ありますよね?」

ハク「まあ普通にあるな…」

シズク「じゃあ…雑貨屋も?」

ハク「もちろんあるに決まっているだろ」

シズク「じゃあ甘味などの甘い物は?」

ハク「あるに決まってるだろ…」

シズク「……行きましょう!!」

シズクは即答した

ハク「ちょ…ちょっと待て…付き人だの侍女だの言っていたその割には…ずいぶんとテンションが高いじゃないじゃねえか…」

シズク「だって!!色んな異世界を渡ってきましたけど…城下街をゆっくり見る機会ってのは…意外と少ないんですよ?」

ハク「……まあ…それもそうか」

ハクは歩きながら…胸の奥で小さくつぶやく…

ハク「……(サンブ城だな…それにこの旅も…また一波乱ありそうだな…)」

そしてハクは口を開く…

ハク「さっき…お前色んな異世界を渡ってきましたと言ったが…」

シズク「ジョーダンですよ」

ハク「冗談か…」

シズク「それに…ハクさんが異世界だの魔法陣だのって…当たり前みたいに話すから…私ついノリで言っちゃいました」

ハク「ノリねぇ…」

シズク「そもそも私、他の異世界に行ったことなんてないですし。ずっとこのラフィルドルフで生きてきましたよ?」

ハク「……まあそうだよな…てっきりジュリナみたいに…あちこち渡ってきたタイプかと思ってた」

シズク「それに私なんて…ただの水属性の魔法に適正があるだけです」

シズクは微笑んで更に続ける…

シズク「たまたま一人で砂漠を歩いて…たまたまぴっちりキャッスルに迷い込んで…たまたま皆さんに出会っただけで」

ハク「たまたまにしちゃ…出来すぎだな」

ハクは苦笑した

ハク「それに…普通は砂漠で死ぬ」

シズク「ですよね…でも……」

ハク「ん…?」

シズク「別の異世界に行ったことはなくても…今の生活は、私にとっては十分すぎるくらい別世界(・・・)です…」

そう言ってハクを見て続ける…

シズク「ぴっちりキャッスルに住んで…愛用のぴっちりスーツを着て…魔王軍や遺跡や奈落峠なんてものに関わって……正直、人生が一気に跳ねました」

ハク「言い方が雑だな…」

シズク「雑って…まあそうですけど…」

ハク「確かにな。それに俺と関わると平穏は消える」

シズク「それ…誇っていいんですか?」

ハク「半分な誇っていいのは…」

サンブ城が見えてきた…

シズク「……ハクさん」

ハク「どうした?」

シズク「もし…もしもですよ…?これから本当に異世界に行くことになったら…」

ハク「うん…それで?」

シズク「私ついていっても…いいですか?」

ハク「…いいけど…危険だぞ?みんなで向かうにしろ…」

シズク「そんなの知ってます」

ハク「それにだ…帰れなくなるかもしれねえ」

シズク「それでもです」

ハク「…おいおい…まあその時は…その時考えないとな…」

シズク「ふふ、逃げましたね」

ハク「あのな…大人の対応だ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ