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第49話 あの兵士は…WHO?

その次の日の朝…

ぴっちりキャッスルは

いつもと変わらない朝を迎えていた。

白色のぴっちりスーツに身を包んだハクは…城の外壁付近に立ち

一人の兵士と向かい合って話をしていた。

革鎧に身を包み…

城の紋章とは異なる意匠の盾を背負ったその兵士は、

明らかにぴっちりキャッスルの関係者ではないとわかる……

少し離れた場所から、

モエはその様子を見てしまっていた。

モエ「…(……あの兵士は…誰?…この城に兵士などはいないし…)」

城の外から来る者は珍しくない…

シズクとかね…

モエはハクがあそこまで自然にしかも警戒もせずに

話している相手は…ほとんど見たことがなかった。

兵士は敬意を払いつつも…

どこか"事情を知っている者"の距離感で話している。

モエ「…(部外者……よね?でも…知り合い?)」

胸の奥に…

昨日の夜に芽生えた疑問が、再び疼き出す。

モエ「…(ハクは……やっぱり、私が知らない顔をいくつも持ってる…)」

しばらくして兵士は一礼し、

ぴっちりキャッスルを後にした。

ハクはその背中を見送り…

小さく息を吐く。

ハク「はぁ…」

それをモエは見逃さなかった。

そしてぴっちりキャッスルの朝。

~ぴっちりキャッスル1階・食堂~

1階の食堂には、

いつものメンバーが集まっていた。

オレジは厨房から忙しなく動き、

シズクは湯気の立つ味噌汁を運び、

アスは椅子に座りながら欠伸をしている。

だが…モエの意識はハクだけに向いていた。

モエ「…(……聞かなきゃ)」

ご飯を一口食べた後に

モエは意を決して口を開く!

モエ「ねえ、ハク」

ハクは箸を止めて…ちらりっとモエを見た…

モエ「今朝、城の外で話してた兵士…あの人は誰なの?」

一瞬空気が止まったかのように感じる…。

オレジは察したように視線を逸らし…

シズクは何も言わず耳を澄ませ…

アスはにやりとした笑みを浮かべている。

ハクはほんの少しだけ困ったように頭をかいてから…

ハク「……やっぱり、どうにもこうにも…隠し事は無理みてえだな」

その言葉にモエの胸が小さく跳ねる。

ハクは箸を置き、

淡々と…だがしかし誤魔化さずに語り始めた。

ハク「あの兵士さんはな…お前と出会った旋風の丘から南に進んだ先の安やぎレイクを越えて…さらに南」

モエは…思わず頭の中で地図を思い浮かべる…

ハク「その先にある…サンブ城の兵士さんだ」

モエ「サンブ城……」

モエは小さく復唱する…

ハクは続ける

ハク「サンブ城は…この辺り一帯の交通と物資を管理してる要衝だ。あの兵士は…そこの見回りといろいろな所との…連絡役をやってる」

シズク「じゃあ…ハクとは…前から知り合いだったんですか?」

ハク「ああ。何度か…頼りになったことがあるな…」

その言い方はあまりにも自然で

それでいて…どこか引っかかる。

モエ「…(まって…"何度か"……?普通のぴっちりスーツフェチが…城の兵士とそんな関係になるの?)」

モエはハクの横顔をじっと見つめ…

モエ「…(やっぱり……ただのぴっちりスーツフェチじゃない…)」

アスは椅子に寄りかかり…面白そうに笑った。

アス「ま、ハクはな…顔が広いんだよ(・・・・・・・)。そう…嫌になるくらいにな」

ハクは肩をすくめて言う…

ハク「おいアス…余計なこと言うな」

だが否定はしなかった。

モエは…

胸の奥に生まれた違和感を…はっきりと自覚する。

モエ「…(ハクの世界は…私が思ってるより…ずっと広いんだ…)」

そして同時にその世界の"中心部分"に…

自分がいるかどうか…

分からないからこそ…

不安は消えないの…

モエ「…(でも……知ろうとしなきゃ…何も始まらないわ…)」

それは朝の食堂。

湯気と差し込む光の中で…

モエの疑問はさらに深く根を張っていく。

ハクという存在の正体に…

少しづつ近づいていきながら…

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