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第48話 モエは知りたい

~ぴっちりキャッスル2階モエの個室~

その日の深夜…

ぴっちりキャッスルは…

完全な静寂に包まれていた。

風の音すら遠く…聞こえるのは…

まるで城そのものが…眠っているかのような…

微かな軋みだけ…

モエは自分の個室のベッドに横になりながら

天井をじっと見つめていた。

モエ「…(……眠れないわ…)」

目を閉じても…

今日一日の出来事が…次々と脳裏に浮かんでくる。

ルヴィン砂漠。

ウルファス森。

オペリフェール遺跡。

遺跡の壁画。

遺跡の映像。

そして…自分の中にあった…認めたくなかった感情。

そして――ハク。

モエ「…(ハクは……一体、何者(・・)なんだろう…)」

最初に出会った時から…

どこか普通ではなかった。

白色のぴっちりスーツ。

異世界の知識。

魔法陣キーの存在を当然のように扱う感覚。

地下2階の存在を知っていたこと。

アスのような"危険なほど有能な人物"と対等に話す態度。

モエ「…(冒険者……研究者……?でも…それだけじゃ、どうしようにも説明がつかない…)」

魔王軍に対する距離感。

異世界に対する理解。

仲間を守る時の判断の早さ。

それでいて…誰かを選ぶことを極端に避けている。

モエ「…(…ほんっと…優しい…のよね…ハクは…)」

誰にでも平等で…一線は引いていて、

踏み込ませないくせに…何故か突き放しもしない。

モエ「…(それが、一番ずるいのに…)」

モエの胸の奥が…きゅっと締め付けられる感覚…

重いのかな…わたし…それに…

オレジやシズクのことを思い出す…

ああゆうの百合って言うんだっけ…レズだっけ…

二人は自分の感情に…もう触れ始めている。

でもハクは…まだ"その先"に行こうとしない。

モエ「……(ハクは…なんとなく…この世界の…住人じゃ…無い気がする…)」

そんな考えが、ふと頭をよぎる。

モエ「…どこかで…いつの日か…いつの間にか…消えてしまいそうな人…でも…そんなの嫌…納得できない…)」

理由は分からない。

確証もない。

ただの妄想かもしれない。

それでもこの不安は

はっきりとした形を持っていた。

モエ「…(そりゃあ知りたいよ…ハク)」

ハクの過去。

本当の目的。

この城を作った理由。

なぜ…ぴっちりスーツなのかさえ。

モエ「…(…私もう後戻りできないのかも…)」

そう思った瞬間に

モエは自分の考えに小さく笑った。

モエ「ほーんとに……何考えてるのよ、私」

小声で呟いてから…布団を引寄せた

モエ「…(でも…いつか…ちゃんと聞くから…ハクあなたは…一体何者なのかを…)」

ぴっちりキャッスルの深夜。

誰にも気づかれないその時間に…

モエの中でひとつの決意が静かに芽生えていた。

ぴっちりキャッスルの夜はまだ終わらない。


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