第44話 飯よりも風呂から
ハク「さて…もう夜だな」
アス「だな…ハク風呂と飯どちらを先にするか?」
ハク「やっぱ風呂だよな」
アス「だな。飯は後でも逃げない」
~ぴっちりキャッスル地下1階・大浴場~
大浴場の前で一度立ち止まり…ハクが確認する。
ハク「じゃあ、いつも通り区画分けでいくぞ」
それぞれが頷き…自然と行く区画が決まっていく…
ハクは第一区画の風呂に入る…
静かな湯気の中一人で湯に浸かり…今日一日の出来事を思い返していた。
北側の砂漠…ウルファス森…オペリフェール遺跡の壁画…奈落峠…デビルローズ…そしてアスの帰還。
ハク「……一気に賑やかになったな」
湯の中で…ぽつりと独り言が漏れる。
モエは第二区画の風呂に入る…
湯船に肩まで浸かり、ゆっくり息を吐く。
モエ「はぁ……生き返るわ……」
緊張がほどけ…心の奥に残っていた不安や思考が…
暖かい湯に溶けていくようだった。
オレジは第三区画の風呂に入る…
オレジ「いやー、やっぱり冒険の後の風呂は最高だね☆!!」
と一人でも賑やかだ
風呂の湯をばしゃっと掬っては…鼻歌まじりに彼女はご機嫌な様子だった。
シズクは第四区画の風呂に入る…
湯の透明さと水音に目を細め、
シズク「水属性としては……水のプールもいいですが…温かいお湯も悪くないですね♡」
と…どこか満足そうに微笑む。
水魔法を使わずとも…身体が自然に整っていく感覚を楽しんでいた。
そしてアスは第五区画の風呂に入る…
静かに湯に浸かり、天井を見上げながら腕を組む。
アス「……またここに戻って来るとはな…アイツらが失踪した以来の城だな…」
懐かしさと…これからの面倒ごとを同時に思い浮かべて…
アス「まあ…退屈はしなさそうだ」
と小さく笑った…
湯気に包まれたぴっちりキャッスルの大浴場。
誰も言葉にしないが…全員が同じことを感じていた。
みんなの帰る場所だと…
やがて風呂の時間が終わり…
次は食堂での夜のひとときが待っている。
尚…一足先に湯から上がったオレジは…手早く身体を拭くと
いつものオレンジ色のぴっちりスーツをすっと着込んだ。
湯上がりの熱がまだ残っているのかぴっちりとした動きも軽やかだ。
~ぴっちりキャッスル1階食堂~
オレジ「さてさて~、今日の晩ごはんは何にしよっかな☆♪」
ぴっちりキャッスルの食堂…その奥にある厨房。
オレジは腕を組み冷蔵庫と食材棚を交互に見渡す。
オレジ「ご飯は必須。これは絶対」
炊飯用の米袋を確認しながら…うんうんと頷く。
オレジ「それに味噌汁もいるよね~。冒険の後は染みるし☆」
出汁のストック…味噌が詰まった壺…乾燥わかめ。
必要なものが揃っているのを見て…満足そうに微笑む。
オレジ「問題は……メインだね…」
オレジが冷蔵庫を開け…少し奥を覗き込んだ瞬間
オレジの目がきらっと光った
オレジ「あっ…これだ」




